こらして。見つめて。(エッセイ)
考えたくない。
思考を停止したい。
行くところもないのに、遠くへ行きたい。誰しも一度は、そう思う事があるんじゃないかなと思う。
月に一回は訪れる、気分の落ち込み。
そんな時は上記の様に思い、どん底とまでは行かなくても、自分が弱っているのが分かる。だからといってどうすることもできない私は、心が自然と回復してくるのを待つしか出来ないのだが、たまーにこんな事を考える時もある。
物理的に見通してみたい。
物理的に見通して何になるんだ。という声が聞こえてきそうではあるものの、私は大人という生き物になってから、特に最近になってから、高いところに登って、自分の住んでいる町全体を見通して見たいと思うことが多々ある。
こんな事したところで悩みや考えがなくなる訳ではないし、答えなんか出ないけれど、高いところから町全体を眺めるのは、何だがとても落ち着く。
森や家々を見ると、ここに人々が暮らしていて、毎日毎日の生活をしている。
幸せも不幸せも、酸いも甘いも。色々な事がありながら暮らしている。そう、思えるのだ。
高いところから見つめる景色。
見えるのは町と自然。人の声が聞こえるとかそんな事はありもしない。
けれど、そんな景色を見つめて、目を凝らして、ずーっと見つめていると、とても心地が良い。
何だがその時だけは、心が少し軽くなるのを感じる。
これから先も、高いところから景色を見つめたい。そう思ったら、行けるときに高いところへ行って町と森、景色を見つめていたい。
見つめて、凝らしたい。
そう、思うのだった。
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