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私はカレーが苦手。(エッセイ)

私は、カレーが苦手だ。

こんなこと言ってしまったら反感を買いそうな人気の料理、カレーが苦手。

といっても、家で作るカレーとか、レトルトのカレー、カレー味のお菓子。
……が、苦手。

けれど、小学校の時の給食のカレーは大好きだった。

けれど学校給食のカレーは、もう二度と食べられない。甘くて、コクがあってとても美味しかったカレー。

あの時、もっと有り難みを噛み締めて食べていれば良かったと、結構本気で後悔をしている。

私の家でも夜ご飯にカレーが出ていた事はあったけれど、成長するにつれ、どんどんカレーが苦手になっていった。

美味しくない。
不味い……。
苦手……。

負の言葉ばかりがカレーを食べる度に口から零れそうになった。
それでも、家庭での献立にカレーは必要不可欠といっても過言ではないカレー。

私はどうにか美味しかった給食のカレーに近いカレーを作りたく、スマホのレシピアプリで調べてみると、給食のカレーと似ていそうなカレーのレシピを見つけた。

さっそく作ってみようと思い、調理に移る。このレシピの肝は、きっと玉ねぎを茶色の飴色になるまで炒める事。
私は時間をかけて玉ねぎを飴色になるまで炒める。飴色になったら、前もってレンジで柔らかくしていた人参、じゃがいも、残りの半分の玉ねぎと水を入れます。この時の水は、少し少なめに。

そうして柔らかくなるまでこちらも煮詰め、カレールーを入れて完成。

そして、お皿に盛り、いざ実食!!

私は一口食べてみる。

「……………!!!!!!」

お、美味しい。給食のカレーに近い。
おおお美味しい〜〜!!

私は、美味しいカレーの作り方を見つけた。このアプリのレシピには感謝してもしきれない。

我が家のカレーに足りなかったのは、きっと野菜などから出る甘み、だったのだ。給食のカレーは大きいお鍋に、沢山の野菜を時間をかけて煮詰めていく。その時に野菜の自然な甘みが出て、カレーの美味しさをもっと引き出していたのだと思う。

それでも、私はカレーが苦手だ。
けれど、このレシピのカレーだけは、私の味方のレシピでもある。

出会えて、本当に良かった。

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