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海を見つめていたい。(エッセイ)

私の住んでいる地域に、海はない。

その代わりに山々が囲う様にそびえ立っている。それはそれで綺麗なのだが、やっぱり海というのものに憧れはある。

波の音。砂浜。沈む夕日。
洗濯物がベタベタしてしまうとか、海の近くだからこそのマイナスな部分があるのは知っているけれど、少し行けば、もしくは車すぐ行ける距離に海があるというのは本当に素敵だと思うし、羨望の眼差しを向けてしまう。

そんな私は、海に来たからってといって思いっきりはしゃぐとか、そういう事はない。

……静かに。そっと…

砂浜の上に、洋服が汚れない程度にタオルやハンカチを敷いてそこに腰を降ろし、何にも考えず、ただぼ〜っと海を見つめていたいと思う。

現実逃避というか、此処に居て此処じゃない様な感覚になってみたい。

手元に本を置いてあっても、読むことはなく、サーフィンをしている人や泳いでいる人をただ無心で見つめていたい。

海のない所に住んでいる私には、海を想像するならこんな想像ならぬ妄想が浮かんでくる。

………海は、ずっと住んでると見慣れちゃうよ?………なんて事も思われそうだが。

……海が近くにある方、どうですか?

そして重要なのは、海にいる人はまばらで、静かであること。
喧騒は、駄目だ…………(笑)

海の立てる波音を、私は何年聞いていないだろう。
ネットで調べれば、機械からいくらでも波音を聞くことは出来るけれど、やっぱり聞くなら天然の、事前な音を生で聞いていたい。



海なし県に住んでいる私の想像ならぬ、妄想は、広がるばかりだ。

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