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「死を賭けた承認欲求」:トー横キッズ聞き書き

【ピエロの手記84  断章72】       
                              ※トー横前の空き地は停止線がはられ、今はシネシティの          
          近くに移動しているが、トー横キッズと呼ぶ     

S子はホームのベンチに
線路に向かってスマホをセットし
小田急の特急に飛び込んで果てた
スマホは自殺の瞬間を忠実に記録していた

死ぬ前にS子は
「自殺願望の子は
 きっと私に憧れてくれる
 だってちゃんと実行したのだから」
トー横に現れた S 子はいつもそう言っていた

自分の死を以て承認欲求を果たしたS子
誰が彼女を責められるか

「死にたいって、誰かに話したかった」
「このまま目が覚めなければいいといつも思っています」
「消えたい」
「末期がんになりたい そして堂々と死にたい」
「家でも学校でも誰も相手にしてくれない」

トー横キッズのこれらの発言の根は
『自分の悩みを誰かに真剣に聞いてもらいたい
『今の生きづらさを逃れて楽になりたい
《死にたい》は 辛さを逃れたいの別表現にすぎない
そして安寧な心の居場所がないということであろう

日本で 
若者の4人に一人は居場所がないといい
若者の死因の第1位は自殺である
トー横キッズは突出した存在ではない
大海の見える部分過ぎないのだ

ミクロとマクロの視点が必要だ
ミクロには
NPOなど民間の団体や行政の支援機関と
キッズを繋ぐことだ
その際に大切なのは
上から目線ではなく彼らの心を受けとめることだ
彼らの悩みに共振し涙を流す
共苦する想像力がなくてはならぬ
そして承認欲求を満たしてあげねばならない

マクロには
トー横キッズの予備軍である
一般の生徒に目を向けねばならない
教育職にある人は
自分の仕事に命がけになってもらいたい
共苦する想像力を見に付けてもらいたい
みるところ
劇的な変革に目覚めてもらいたいと思う


   ‟悲しいピエロ”




日本の自殺 ⇒⇒ 調査


生きずらさから逃げたい
承認欲求                 レジリエンス
                     ネガティブ・ケイパビリティ
             

10代の死因の第1位は自殺


たしかに夕暮れは
一番もの思う時であると詩人たちは語った
リルケは 
街はずれの公園のベンチで
悲しみを悲しむために
暮れなずむ時間を一人で過ごした
悲しみから逃げようとせずに
まともに悲しむことで生きづらさを乗り越えたのである


上から目線でいっているのではありません
私自身 死にたい死にたいと 毎日
生死五分五分で生きているところから言っているのです

noteのクリエイターの人が
「生きているということを頑張っている」ではないか、と
声かけしてくれたのが力となって
今のところ生きているに過ぎないのです


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