いとうまさやす

いとうまさやす

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

「神の手を離れるときは、人は皆天使であった」 J.J.ルソー        

【ピエロの手記 6】  ゛悲しいピエロ゛の自己紹介 6回目の投稿で、やっと自己紹介にたどりつきました。 タイトルに掲げたルソーの言葉が好きです。 回復されない愛着障害を抱えていても、人はみな生まれた時は天使であったと信じているロマンチストです。 趣味は音楽全般です。 ショパン、ベートーベン、バッハ・・好きな音楽家を列挙するのは無理ですね。好きなのはクラシックに限りません。中島みゆきのCDは全巻書棚に収まっています。 深夜に、ピアノの調べを聞きながら、一人日記帳に向かうと、

    • ❛末期ガンになって堂々と死にたい❜・・(トー横キッズ聞き書き2)

      【ピエロの手記  105】    トー横キッズの聞き書きをするのは とても悲しい どうしてこの純粋で清らかな魂が 家にも学校にも安らかな居場所がなくて トー横に彷徨い 非行まがいの行動をしなければならないのか   ❛頼ミモシナイノニ 生マレテキテ   死ヌ時期モ 自分デ決メラレナイナンテ   ヒドイ話デスヨ   自殺ナンカシタラ   悪イコトデモシタミタイニ言ワレチャイマスカラネ❜ なぜに 末期ガンなら堂々となのか それなら無理もない、もっともだな、といわれるからである

      • ❛悲しいんだね。いいんだよ、涙が涸れるまで泣きなさい❜

        【ピエロの手記  104】    グリーフ・セラピー 泣くだけ泣くところからケアは始まる アメリカで生まれたグリーフ・セラピー 「そんなに暗い顔してばかりいないで  気分転換に旅行にでも行ってきたら」 などとは絶対に言わない 「そんなに悲しいんだね  いいよ 泣きなさい  気のすむまで  涙がなくなるまで泣きなさい」 そこからはじまる これには驚いた でもどんな悲しみも とことん悲しむことからしか癒しははじまらない 悲しみを胡麻化そうとしたり気を逸らそうとするのは逆効果

        • 痛ければ痛みの中を 淋しければ淋しさの中を歩こう・・・by 星野富弘

          【ピエロの手記  103】    しかし やっぱり この言葉には胸を揺さぶられる 星野富弘の詩画カレンダーは 毎年購入して机の前の壁面を飾っている でもこのフレーズには出会っていなかった 出会ったのは 2024.8.3 の朝日新聞である 星野さん(本年4月逝去,78歳)は 中学校教員になってまもなく クラブ活動の事故で頸椎を損傷 首から下の自由がきかなくなった 入院中、口に筆をくわえて窓から見える草花を描き そこに詩を添えて詩画を制作することを始めた 何といっても タ

        • 固定された記事

        「神の手を離れるときは、人は皆天使であった」 J.J.ルソー        

        マガジン

        • 悲しいピエロ  〈ピエロの手記 5〉
          1本

        記事

          「自己憐憫をやめなさい。マイナス思考の極みですよ」精神科医もカウンセラーも面談の度にそう言った。

          【ピエロの手記  102】    精神科医には分からないのだ ・・自己憐憫を支えにしたからこそ生きられた人がいるなんて ガキのころから 環境のせいだかなんだか知らないが 自分なんか幸せになれるはずがないと、固い信念を持っていた だから 愛着障害になろうと いじめに会おうと ❛ほらね、自分なんて幸せになれるはずがない❜ と思っていた通りさ 想定内 想定内 涙もこぼすことなく切り抜けてこれたのさ しかし 心のどこかに 病いが宿り始めた 青年期にさしかかるころ 精神の病い

          「自己憐憫をやめなさい。マイナス思考の極みですよ」精神科医もカウンセラーも面談の度にそう言った。

          彼女はDVに悩み、重い鬱病になって働けず、生活保護を3度申請して却下され、暴力を受けて死んだ。22歳だった。大阪。

          【ピエロの手記  101】   市の生活保護の担当者は言った。 「生活保護というものはね、まじめに一生懸命働いた人の納める税金で支給されるものなんですよ」 彼女は「そうか、私みたいなクズのような人間には支給できないっていうのか」 彼女は600円しか持っていなかった。 この途方もない絶望を私はわかる。 DV の暴力で死んだ方がましだとさえ彼女は思う。 ・・優しさを彼女の心に届けてあげたかった 以前、小田原市の生活保護の担当者たちは お揃いのジャンパーに身を包み 背中には

          彼女はDVに悩み、重い鬱病になって働けず、生活保護を3度申請して却下され、暴力を受けて死んだ。22歳だった。大阪。

          ❛人が死ぬこと❜に鈍感すぎはしないか!

          【ピエロの手記  100】    レスキュー・ナウという小さな通信社が 鉄道事故をまめにネットにアップするたびに メトロ東西線で偶然居合わせた 投身の現場を私はアリアリと思い出してしまう 片足を切断されて救助された若い男性は 「殺してくれー」と泣き叫んでいた 翌日の新聞で 彼が亡くなったことを知った 521人 昨年の小・中・高生の自殺者である 未遂を加えたらこの数倍だろう テレビのニュースでこのことを知った ニュースは次に移り 大谷翔平選手が オールスター戦でホームランを

          ❛人が死ぬこと❜に鈍感すぎはしないか!

          ❛トー横❜ を汚す奴は許せない・・

          【ピエロの手記99】    トー横は魂の聖地なのだ 不純な欲望や金儲けを企む奴は即刻出ていけ ❛トー横の帝王❜ だと TVの ❛東大王❜ という呼称と同じくらい醜悪で愚劣である 心に傷を負い 生きずらさを逃れて居場所を求めてきた少女を 弱みにつけこんで 慰み者にするなんて人間のやることじゃない 帝王の虚名は私が剥がす  逮捕されたのを機に 2度と来るな 「何もかも忘れて楽になりたい」と トー横キッズが思わず洩らすのは 子どもらしくて人間的だ そこに付け込んで 大量に薬

          ❛トー横❜ を汚す奴は許せない・・

          宿命との闘争・・・・この闘いをせめて引き分けに

          【ピエロの手記  98】    宿命との闘いは苛烈だ 闘うだけでエネルギーを使い果たす いざ仕事のスタートの時点で既に疲労困憊している 思えば長い闘争の歴史だ 師匠は 宿命を越えろと言う とんでもない 私が宿命の重みに克てるわけがない でも 負けるのは悔しいじゃないか せめて引き分けにもちこまないと 存在がなくなってしまう そのために 精神科にも足しげく通った 放浪を重ねて 天地自然と一体化しようと生きてもみた それでも ♬ アカシアの雨に打たれてこのまま死んでしま

          宿命との闘争・・・・この闘いをせめて引き分けに

          自閉症スペクトラム他・障がい者手帳1級・・ピエロはいつも笑っている

          【ピエロの手記  97】  『ほんとうは 笑ってなんかいられないのに・・   生まれついての精神障害の手帳のせいで  どこも正社員では雇ってくれなかった  この年でスーパーのパートしか働き口はない  大学へ行ってみたくなって予備校へ行ってみた  偏見が少しもなくていつも生徒の目線に合わせてくれる  英語の先生は 優しくて私のスーパースターだ  ある時 遠くを見るような目で   ジツハ ジブンハ ピエロノキグルミヲキテ イキテイルンダ  と、ふと仰ったではないか  衝

          自閉症スペクトラム他・障がい者手帳1級・・ピエロはいつも笑っている

          私のトー横:「名曲喫茶」をさすらって

          【ピエロの手記  96】   今日まで もの心ついてからの年月 トー横を求めるさすらいであった 吉祥寺の駅前 誰も知らない細い路地を抜けて 木造の小さな名曲喫茶はあった そこで笑い そこで泣いた 私の青春の全てを知る居場所だった ほの暗い店内の 大きな柱の陰の席で ❛別れの曲❜ のピアノに 涙が涸れるまで泣くことがなかったら 私は14・5回未遂をしていただろう それだけやれば 2~3回は成功したことだろう(笑) 再開発で 喫茶店がなくなってからというもの 居場所も消え

          私のトー横:「名曲喫茶」をさすらって

          今宵もラインを打つ・・既読はつくが返信はない、いつものように

          【ピエロの手記  95】       ラインしたって返事がないことは分かっている 思いを捧げるは相手は 慰めたり癒してくれる存在ではないのだ 分かっている でも 既読のしるしは何なのだろう 祈りが届いたということだろうか 『マッチ売りの少女』という作品が好きだ 祈りは マッチの炎が煌めいている束の間にだけ 届いたようにみえる すぐに来る暗黒への序曲として 神様も不条理を正すことはできない せめて少女に 束の間の炎の中に 幸せの幻を見せてあげたのだ それは少女にとって幸せ

          今宵もラインを打つ・・既読はつくが返信はない、いつものように

          ❛サヨナラだけが人生だ❜‥この句が中国は唐詩の翻訳だとは知らなかった

          【ピエロの手記 94】   愛は必ず終焉を迎える 相思相愛の恋人だって 同日同時刻に死ぬことはない 仲睦まじい夫婦だとて同じことだ 花に嵐の吹かぬものかは そう サヨナラだけが人生なのだ  コノサカズキヲ 受ケテクレ  ドウゾ ナミナミ ツガシテオクレ  ハナニアラシノタトエモアルゾ  「サヨナラ」ダケガ人生だ   (亨 武 陵 ・井伏鱒二 訳) 古い懐メロの  ♬ 愛された時から別れが待っている その歌詞は 皮肉のようだが真実を穿っているのだ そして最後に 思考す

          ❛サヨナラだけが人生だ❜‥この句が中国は唐詩の翻訳だとは知らなかった

          ❛ここにしか居場所がないもん❜    ーー「トー横」は聖地だーー

          【ピエロの手記93】 ‟その水になじめない魚だけが、その水について考え続ける”(頭木弘樹) その水になじめないのに その水について考える力がまだないとき、別の水はないかと彷徨い、 トー横へ流れつくのだ 今の社会に、学校に,家庭になじめない生きずらさ それでも必死でもがいて それでも必死で足掻いて トー横に流れ着いた 名古屋から来た友人が  名古屋にもそういう場所があるんだよ  そっと声を落として言った そうだろう 5月18日の一斉補導では 北海道からの少女も含まれていた

          ❛ここにしか居場所がないもん❜    ーー「トー横」は聖地だーー

          口の立つやつが勝つってことでいいのか

          【ピエロの手記92  断章80】      『カフカはなぜ自殺しなかったのか』 書店でこの本の題名に衝撃を受けて飛びついたのが 頭木さんとの出会いである この記事のタイトルは頭木さんの新しい著書の名である 彼の文章の優しさ、柔らかさ 20歳で難病を発症し13年もの長い間入退院を繰り返した その期間で彼の感性と知性は熟成されたのである 「うまく言えないことの中にこそ、真実がある」 次の衝撃は彼のこの言葉だった 現今の SNS 上では 意見の違いを論争に持ち込んで 屁理屈

          口の立つやつが勝つってことでいいのか

          今日もそして明後日も無彩色

          【ピエロの手記91  断章79】 日常の生活から色がなくなってしまった いつの頃からだろう この無彩色の日々に生きるようになったのは うそ 遊歩道を歩いてごらん アオキの葉は新緑を映し出し つつじとさつきは色を競い合っている うそ 景色はみんな灰色だ どこに色彩があるというのか もしかしたら ワイパックスをのんだら 色が戻ってくるのだろうか 言ってはいけない 何も言ってはいけない 行ってはいけない そこへ行ってはいけない 天使が去るときに 色彩も夢も未来もみんな連

          今日もそして明後日も無彩色