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僕と106

 それは僕の2台目の愛車だった。フレンチブルーのおしゃれなクルマ。ストール巻いてパリの街を流したくなるようなそうな可愛いクルマだった。直管にしてしまい峠がお似合いになるのはその後の話である。


 ほしくもないクラウンを買ってから9ヶ月ほど経った。クラウンは意外と気に入っていた。とても運転しやすく、パワーもそれなりにあり、スタイリングも好きだった。ただこの先いつまでクラウンに乗るのか、ビジョンが見えなかった。女の別れ話みたいな言い訳で昔から欲しかったプジョーを見に行くことにした。

 たまたま106の在庫が豊富なショップが近所にあったので見に行った。弄るところがほとんどない予算オーバー、ほぼどノーマル程度良しのちょい予算オーバー。そして予算完璧な姉妹車シトロエンサクソがあった。いつもなら買いますと言ってしまいがちな僕だがその日は家まで持って帰った。しかし次の日の午前中にはフレンチブルーの106、少し予算オーバーの106を買いますと言っていた。カーライフを充実させるには少しばかりの金と無理と我慢と自制心を失くすことが大事なのです。

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