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「版画で「観る」演劇展 フランス・ロマン主義が描いたシェイクスピアとゲーテ」 in 国立西洋美術館(常設展内)

東京・上野の国立西洋美術館は、特別展だけでなく常設展も充実している。
中世末期から20世紀初頭にかけての西洋絵画の名作が、10部屋以上にびっしりと並んでいるのだ。
ゆっくり全部見たら、たっぷり2時間かかるくらいで、これだけに行っても十分楽しめる。https://collection.nmwa.go.jp/artizeweb/search_6_areaart.php?area.location=9

入場料は、一般500円、大学生250円。
高校生以下および18歳未満、65歳以上はなんと無料!
また、年齢にかかわらず、特別展の鑑賞券で当日のみ無料になる。
こんなにコスパの良い展覧会は他にない。

さて、先日、西洋美術館で開催中の「ピカソ展」に行ったことについてはすでに書いた。
ピカソとその時代展 in 国立西洋美術館|みだれ髪|note
旬さんとおしゃべりを楽しんだ後、1人で西洋美術館に戻り、常設展へ。
でも、常設展は、8月に別の展覧会に行った時にも見ているし、あまり時間もないので、常設展の中の「版画素描展示室」で開催されている、「版画で「観る」演劇展 フランス・ロマン主義が描いたシェイクスピアとゲーテ」(2022年10月8日(土)~2023年1月22日(日))を中心に鑑賞した。

https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2022watch.html

18世紀後半から19世紀前半にかけて勃興したロマン主義運動は、文学・音楽・美術など分野を超えて展開し、なかでもフランス・ロマン主義においては外国文学を着想源とした情感豊かな作品が生み出されました。特に古典演劇の規範から外れた自由な構成で、運命や自然に抗い苦悩する人間の姿と心理を描いたシェイクスピアとゲーテの戯曲は様々な芸術家たちに影響を与え、美術においては画家ウジェーヌ・ドラクロワ(1798-1863 年)とテオドール・シャセリオー(1819-56 年)に霊感をもたらしました。
本企画では、当館所蔵作品より、ドラクロワ最初の文学主題版画とされる《魔女たちの言葉を聞くマクベス》をはじめ、ロマン主義版画における金字塔ともいうべき連作の数々―ドラクロワの〈ファウスト〉と〈ハムレット〉、そしてシャセリオーの〈オセロ〉―を展覧します。同時代の舞台表象の影響をうかがわせる一方で、いずれも場面にみなぎる感情の描出において独創性を有するこれらの作品は、まさに二人の画家の綿密な精読と豊かな想像の結実ともいうべきものです。

サイトより

館内はほとんど撮影可能。
パチパチとったが、サイトにもあるし、どうも映りがよくない(というか、非常口が映り込んでるじゃん、笑)ので、少しだけ。


ゲーテ「ファウスト」による連作:マルガレーテを誘惑しようとするファウスト by ドラクロワ
シェイクスピア『ハムレット』による連作 by ドラクロワ

無料だから、とりあえず見ておこう、という程度だったのだが、シェイクスピアの『ハムレット』『オセロ』『マクベス』は、だいぶ前に読んだことがあるし、ゲーテの『ファウスト』もタイミングよく今年読んだばかりだったので、場面も浮かんできて予想以上に楽しむことができた。

ドラクロワと言えば、『民衆を導く自由の女神』のような油絵が有名だが、こんなにも多くの、精巧な版画を制作しているとは知らず、驚いたし、勉強にもなった。


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