「当たり前」について考えるヒントに 〜「ルワンダでタイ料理屋をひらく」を読んで 〜
私、音声配信Voicyをよく聴いているのですが、推しのパーソナリティの一人、CKさん(唐渡千紗さん)のご著書が文庫化されたとの事で、さっそく購入して読んでみました。
勢いのある、明るく軽快な文章で、読みやすく、あっという間に引き込まれて一気に読んでしまいました。めちゃくちゃ面白い!!
まさかの展開にたくさん笑ったし、そして、たくさん泣きました。
「日本に生まれる」という事について、考えさせられました。
今日はその事についてのお話。
楽しい「旅行」と、生きていくための「生活」の違い
私は海外で生活をしたことがありません。
結婚前に旅行でカナダと韓国に行ったことがありますが、それももう20年近く前の話。それに、数日間の「旅行」と、日々「生活」していく事は、大きな違いがあると思います。
私は東京生まれ東京育ちですが、結婚を機に田舎に移住してきました。
最初はね、観光気分だったんです。田舎生活の良い面だけ見て「田舎生活、良いじゃ~ん」と思っていました。それが、日々の「生活」を回していく、となったら、やっぱり大変な部分もあって…。
アレがない、コレがない。知り合いも誰もいない。
何がどこにあるのか分からない。
一から築き上げていく人間関係。
旅行と生活って、「生活していく」「生きていく」って、全然違います。
それが、日本とルワンダという規模。
ものすごい想定外の連続。
「想定外」の規模が規格外過ぎて、「そんな事ある??」とツッコミの連続でした。申し訳ないけど、まさかの展開に思わず笑ってしまいました。
どんな「想定外」があるのかは、ぜひ本書をお読みください。一度や二度じゃない。何度も訪れる「斜め上」の想定外。何度も言いますが、申し訳ないと思いつつ笑ってしまいました。でもコレ、当事者としては笑えないだろうな…。
バタバタしながらも、それを乗り越えていくCKさん。凄いとしか言えん。
軽快な文章の中に現れるルワンダの歴史
基本的に「いやぁ〜、このバタバタ、すごいなぁー。めちゃくちゃ面白い!!」という感じで読み進めていたんですが、時々ルワンダの歴史や、そこに住む人々の事が書かれていて、私はルワンダについての文章を読むたび、心臓がギューッと潰されるような感覚に襲われました。
それまで明るく軽快な文章で書かれていたCKさんの日常の中に、ふと現れる何とも言葉にし難い悲しい歴史や現実が、でもしっかりとCKさんの言葉で書かれていました。
正直、何度も泣きました。
ルワンダの人々の、のんびりとした空気感や、明るい優しい笑顔の下に、普段は隠れているもの。悲しみとか苦しみとか怒りとか。それらを全部抱えながら、日々淡々と「その日」を生きている。
「たくましい」「強い」「したたか」とかじゃない。
そうしないと生きていけない現実が、確かにそこにある。
CKさんが出会うルワンダの人々の、本当の半生が語られていて、
同じ時代に、「生まれた国が違う」という事が、こんなにも人の人生に影響するのかと思いました。
ルワンダの歴史や、そこに住む人々におこった出来事については本書に分かりやすく書かれていますので、ぜひ、ぜひお読みください。
「当たり前」について考える
それまで歩んできた道が全く違う人達、バックボーンが違う人達の事を、理解して、協力し合って、何かを成し遂げるというのは、本当に手間のかかる作業なんだなと思いました。
我が家は日本の「超」田舎、とは言いませんが、まぁまぁ田舎にあり、いわゆる「外国人」もほとんど見かけない環境です。
ですが、こんな環境だからこそ、うちの子達に読んで欲しいな。
「当たり前」が違う人と協力し合うことの難しさとか、手探り感とかが、とてもリアルで、そして何よりも読みやすくて楽しい。
「あなたの"当たり前"は、本当に"当たり前"ですか??」を考えさせられる、とてもいい本だったと思います。オススメです!!
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