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16.孤高の男と哀愁漂う街

MISSOURI州を出発し
KANSAS州へと向かう俺
65号線から60号線へと移り
400号線を目指す
途中、いくつかの街を抜けていく

通り掛かりの小さな街
お洒落な街
Wichitaまで110mileの看板!!

400号線を
気持ち良く走っていると前方に
WICHITAのハーレーショップを発見
この店の正式名称は
「HDD MID-CONTIN」
迷うことなく相棒を駐輪場に滑り込ませ
店内へと急ぐ
ロングスリーブシャツ
カッコいいグローブを購入
残念ながらパッチは無いとのこと・・・
本日は$91.10の買い物
レートは¥113.7

KANSAS州WICHITAのHARLEY DAVIDSON
遂に来たWICHITA

買い物を終えて外に出る
改めて街を見渡してみる
・・・
・・・何も無い
ここには本当に何もない
・・・

「Wichita」

ん・・・?
聞き覚えがあるのは何故だ・・・
・・・・・
それは
遠い記憶の中に眠っていた名前だった

遥か昔
当時通っていた横須賀のBARで観た映画の
ワンシーンで使われていた街
そこには中西部の
冴えないド田舎が映り込んでいた
それからというもの
この地名が

「ずっと自分に引っかかっていた」

その映画の一コマ、
たった数秒で

今後も
垢抜けることはないだろうと思わせる雰囲気
この街は
永遠に変わらないだろうと思わせる雰囲気
きっとそんな空気で、
街全体が覆われているのだろう・・・

その数秒のシーンを観た者に
そんな深いところまで考えさせてしまう街

「KANSAS州Wichita」

実際に来てみて感じるのは・・・
独特の空気感が流れる街
諦めの空気
開き直りの空気
でも少し
足搔いている空気
そんなようなものが
・・・
・・・漂っている街

そうか・・・
じゃあ・・・
当時の若い青年であった俺の見立ては
なかなか的を得ていたってわけだ(笑)
お見事!

いや
まさかここに来ることになろうとは
自分でも本当にびっくりしている

正直に言うと
ここには来ようと思って来たわけではない
辿り着いたのだ
俺はこの街に流されてきたのだ

西部の乾いた道とは雰囲気が違うんだよなぁ・・・

俺の中の何かと
街が持つ何かが
引き合ったのかもしれない

さぁ
もう少し走ろう
まだお天道様は頭の上だ
MOTELを探すには早すぎる・・・

KANSASのまっすぐの道

            続く・・・・・

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