大学一年生と楽単

このnoteは国公立大学前期試験の数日前に書いています。もし、これを読んでくださっている方が受験生であれば、大学一年生になった時にもう一度読んでみてほしいです。


「結局、ラクタンだよ」
これは私が大学一年生の時にとある部活の見学の際に聞いた言葉だ。確か、見学の後に新入生数名と上回生数名でいくつかのグループになっていろいろ話すみたいな感じになった記憶がある。
私のところでは、一般教養科目の履修について誰かが質問してこのような回答をしてくれたのを覚えている。
初めにこの「結局ラクタン」ということを聞いた時に、やっぱどの人も、新入生だろうがそうでない人だろうが、楽単かどうか気にするのかと思った。しかし、それと同時に「結局」とはどういうことなのだろうと思った。そして、大学三年も終わり進級できるかどうかを待っている時期になって、ようやく自分なりにどうしてあの人が「結局」と付けたのか分かった気がした。


多くの大学の一年生は、必修科目だけでなく(一般)教養科目と言われている科目を取るカリキュラムになっていると思う。必修科目が強制的に履修することが決められていることに対し、この教養科目は抽選などあるにしろ自分自身で決めることができる。そのため、一人で面白そうな授業を受けたり、仲のいい友達と一緒に受けたりするといったように好きに自分の受けたい授業を決められる。これは高校までの学校生活と大きく異なる点であり、だからこそ大学がとても自由な場所と感じられると思う。


ここで、教養科目の履修考えるときに話題になることが「楽単」の存在である。「○○という授業は楽単らしい」とか「○○先生の授業はやめた方がいい」といった話がそれなりに出てくる。正直、何をもって楽単というのか一年生の頃の私は分からなかったので話半分くらいに聞いていた。また、大学一年生特有の謎に意識の高い状態だったせいか、楽単ばっか履修してもそんなに意味ないだろうみたいに思っていた。
しかし、もし新入生にどんな教養科目を取ればいいか聞かれたら「結局、ラクタン」と答える気がする。今振り返ると、あの時言われたことと同じことを言うと思う。
そう思う理由としていくつかある。まず、そもそも教養科目を受けに大学に進学したわけじゃないということ。おそらく、多くの人が何かしらの考えがあってその学部を受け入学したのだと思う。教養科目を目当てにその大学に進学する人はいないはずである(そもそも何の科目があるかは入らないと分からない)
次に、大学の成績はなんだかんだ大学生活に関係してくる。いわゆる、GPAは理系学部であれば研究室配属、文系であればゼミの配属といったように意外と(人によってはかなり?)関係するため、わざわざ取得するのが厳しい教養科目を選ぶ必要はないのではと思う。
結局のところ、何でも自由に選べる教養科目だからこそ、その利点を上手く活用して将来的に自分の選択肢が広がるように履修を組めばいいのではないか。
大学一年生特有の謎に意識の高い状態だと、折角だからいろんな授業を取ってみようとなるかもしれない。もちろん興味があることなら良いことだと思う。しかし、極端に難しい教養科目によって行きたい研究室に入れなかったり、単位を落としてしまったりしては本末転倒である。そのため、新入生に対して上回生としては下手に好きな科目取ればいいよとは言いづらくなる。多くのことを考えた結果、無難に「結局、ラクタン」に行き着いてしまうのかもしれない。だから、もし、これを読んでいる新入生が「何でこれから勉強頑張ろうと思っている人に対しそんなカスみたいなこと言うんだ」と思ったら、ちょっと踏みとどまっていただけたらと思う。


P. S. 私自身はそうは言っても必要以上に教養科目の単位取得をしました。いろんな話を聞けて良かったと思う反面、あの科目を取らなかったらもう少し成績良かったかなと思ってしまうこともあります。何が正解なのか分からないです。


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