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自称“社内一働くことが嫌いな人”の  ”人が働く”から”ロボに働かせる”  ための第一歩

こんにちは!
私はとあるスーパーマーケットの本部で店舗の営業活動をサポートする業務に携わっております。
とにかく仕事を楽したい、定時で帰りたい、いやむしろ早上がりしたい
と思っている私は最近、もっと自分や周りの仲間の業務を楽にしたい!
そして店舗で頑張ってい人たちの業務をもっと楽にしてあげたい!
と思いITやデジタル技術について学び始めました。
そこで学んだことを活かして少しだけ業務を楽にするRPAを作成したお話です。

ここに至るまでの記事も良ければ見てみてください。👇👇


当たり前になっていた手作業の登録

「当たり前」というものは発想の幅を狭める非常に厄介な概念であると気づかされました。
というのも私は半年前くらいに現在の部署に配属になりました。
新しい仕事を覚えていく中で不思議な光景を目の当たりにしたのです。
部署内のメンバー4、5人がバーコードスキャナーを持ってひたすら同じバーコードを何度も何度もスキャンしていました。

何をしていたかというと…
「2点まとめて○○円」「よりどり3点○○円」という売られ方している商品。いわゆるまとめ売り商品の売価登録をしていました。
どういうことかというと、まとめ売り対象の商品を各店舗のレジで通した時に割り引きがされるようにするための設定・登録作業をしていたということです。
ただこれが大変なことにまとめ売り商品の売価はシステムの仕様上、本部側から各店舗への一括の売価登録ができません。
つまり本部で1回登録すれば良いわけではなく各店舗ごとに登録作業をする必要があります。
そのため現状では店舗のアカウントで一店舗ずつログインと登録作業を繰り返して全店舗分の売価登録をしていきます。私の部署では本部主導のまとめ売り企画の際はみんなで手分けして登録しています。

数店舗しか無い会社であれば手作業でも良いのかもしれませんが、100店舗以上展開している会社ではちょっと無茶です。
でもみんなにとっては当たり前になっており、いつもの作業といった感じでした。

問題点

まず第一に人が手作業でやるため漏れや間違いが起こり、結果的にお客さまに迷惑をかけてしまうこともあります。
そしてなによりも店舗数が増えれば増えるだけ大変になります。
現在の当社の規模だと仮に週に一回実施するとした場合、年間約1,000時間もの時間を費やす計算になりました。

解決プロセス

解決策としては三つです。
①まとめ売り企画をやめる
⇒お客さまからも支持されており、買い上げ点数を向上させるための重要な施策の一つなのでやめることはできません。❌

②一括の売価登録ができるようにシステムを改修してもらう
⇒難しそうだけどシステム部に要確認

③売価の登録作業をRPA化する
⇒ロボットに作業を任せることで手作業から脱却

下準備

まず部署にメンバーに聞いてみたところ
「まとめ売り登録の作業自体は大変だけどそもそも無くせると思っていなかった」「この作業が無くせるならそれに越したことはない」
とのことでした。

そこでまずシステム部に売価システムを改修できるかを確認したところ
「グループ会社共通のシステムのためウチの会社だけでは難しい」
とのことでしたので代わりにRPAの使用許可を取り、まとめ売りRPA作成に取りかかることにしました。

フロー

RPAツールとしてPAD(PowerAutomateDesktop)を使用しました。

RPAを制作するためにはRPA化する作業のプロセスをしっかりと把握する必要があります。
①店舗のIDとパスワードを入力してログイン
②開始日終了日や売価などの条件を入力
③対象商品のJANを入力
④登録ボタンを押して登録する。
⑤ログアウト
これで一店舗分完了です。

上記のプロセスの①~③の入力をするために
Excelに事前にまとめ売り登録する店舗、期間、売価、登録する商品リストを作成しそれを読み取っていくようにします。(図1,2)

図1:店舗リスト
図2:商品リスト

①~⑤のログインからログアウトまでのプロセスを店舗リストに記載の店舗の数だけ繰り返します。

フィードバックと改善

上記のRPAの制作は①の処理を再現できたら次は②の処理…最後は店舗数分繰り返すループ処理を実装していくというように一つのプロセスごとに実験や何度もフィードバックをもらいつつ作成していきました。

動作の安定性向上が課題

試作品を見てもらっている時まれに入力か所がずれるなどしてエラーが出て止まってしまうことがありました。
実行時の通信状況などの影響で入力タイミングなどがずれて誤った入力をしてしまいエラーが出てしまうようです。
ただ通信状況などはどうしようもなくエラーを100%なくすことは難しかったのでエラーが出たら処理を中止しその店舗はとばし次の店舗に行くようにしました。
こうして途中で止まらずとりあえず最後まで処理できるように改善しました。
また、図3のように正しく処理が完了したら店舗リストに「済」を書き込むようにしました。処理の途中でエラーが出た店舗は「済」が記入されていないので、全店舗の処理が終了した後「済」が記入されていない店舗があればその店舗のみ再度実行することで登録漏れを無くせます。

図:3

会社を巻き込む取り組み

売価登録登録チェックRPA

商品の売価はお客さまに直接関わってくるため、売価登録後、本当に正しい売価で登録されているかどうかチェックをする必要があります。
試作品を部署のメンバーに見せたところ

チェック作業も自動化してください!

ということで社内のRPA推進の主管部署に試作品を見せ、相談しに行ったら、売価チェックのRPAを協力してもらえることになりました。

商品ごとの各店舗の売価登録状況を一覧表として出力するRPA

自分一人では難しいことも他部署を巻き込んでいくことで実現していきます。

各部署からの後押し

さらにもっといろんな人に意見を貰おうと思った私は各部署の代表が集まる分科会にて飛び入りで参加しプレゼンさせてもらいました。
するとなんと「他の部署でも運用を広げ、全社的に運用をしていけるようにしよう」との声をいただきました。
また次年度以降の全社運用を進めるために一部エリアでの実験の協力を得ることができました。
自分が考えていたより大きな話になりましたが、全社運用できればもっと気軽にまとめ売り企画を実施できるので会社としても戦略の幅が広がります。

自分が楽したいだけで始めたの小さな取り組みが他部署や会社全体を巻き込んで、よりたくさんの人を楽にすることができそうです。

働いたら負け

当たり前知らないということは恐ろしいことだと思います。
一歩引いたところから見ることによって改善すべき点が見えてきます。
知らなかった技術・知識を学ぶことで今まで当たり前、無理だと思っていたことでも、改善できるアイディアを無限に広げることができます。
既存のやり方、考えにとらわれず常に学び続け楽すること考えることは大切です。
そしていろんな人と関わりながら取り組んでいくことで新たに見えてくることもあり、周りを巻きこんでいくことでさらにたくさんの人たちを楽にできます。
これからも私はもっと自分やみんなが楽できるように楽することに全力を尽くしていきたいと思います。
そんな私の座右の銘は「働いたら負け」です。

以上最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事がみなさんの暇つぶしくらいになれば幸いです。
楽をするための楽じゃないDXの道のりはまだまだ続きますが、記事は一旦ここで一区切りとなります。
また何か取り組んだりしたら記事にしたいと思いますのでその時はよろしくお願いします。

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