無職RPG

恥ずかしいから、なれるはずないから、周りにどう思われるのか、そんなことばかり考える。怒られるかもしれない、止められるかもしれない、そんな植物の蔓のような物に囚われているうちに身動きが取れなくなっていた。そして動かなくなればなるほどに蔓は体にキツく纏わりつき、絡み、その強度は増していく。気がつけば本音は蔓で覆い隠されてしまった。周りに判断を仰ぎ、周りに合わせ、自分の心を裏切ることに戸惑いがなくなっていった。属している安心感などそんなものは時間が来れば消えて無くなる。そこから解き放たれたとき意思の弱い人間は淘汰されていく。私のように。周りが私に意見しなくなった途端、私は無力である。支柱に助けられていた私はそれが外されたが最後ポキリと呆気なく、あっという間に折れてしまう。その後は朽ちて土に還ることをただ待つことしかできない。しかし、私は幸運にも植物ではなく動物であった。それだけに留まらず知能があるヒトであった。私のこの現状は他人から見れば「終わっている」と判断するだろう。しかし、それを決める権利があるのは他の誰でもなく私なのだ。私が道だと思うところが道であり、目的地を定めるのも私である。私は私を蔓から助け出すことも、見殺しにすることもできる。どのような道を歩んでこようと自らが助かる道を進むべき道を模索し続ければ私は助かる、進める。生まれた年、場所、年齢、親、学校、友達、学歴あらゆるものを敵としたところでそんなものは中ボス程度のものである。待ち受けるラスボスは常に自分。自分に勝利なくしてこの人生(ゲーム)のクリアはあり得ない。だからせめてどうか、どうかアプデでリセットボタンの追加を何卒宜しくお願いします。

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