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雪の妖精

「虫の知らせ」とは「なんとなく良くないことが起きそうな予感」のことだそうです。

良くないことかはわかりませんが、季節の移り変わりを告げる虫がいます。
「雪虫」(地域によって様々な呼び名があるらしい)です。
実はアブラムシの仲間。
場所によっては害虫として扱われたりもするのだとか。
10月中旬ごろ、体に綿のような物質をまとい移動します。
フワフワと移動するその姿は本当に雪が降ってきたのかと見間違えるほど。

そして、この雪虫が飛ぶと1~2週間(諸説あり)で雪が降ると言い伝え(?)があります。
今年、私が雪虫を初めて見たのがちょうど1~2週間前。
仕事仲間の間でも「そろそろ山の上は降るかなぁ」なんて話していました。
すると、先週末頃に近くの山で本当に初冠雪が!

普段は気にしないのですが、二十四節気などを調べてみると「季節感がよく表れているなぁ」と先人の知恵に驚かされます。
しかし同時に、昨今の気象の変化により秋の入りなどはだいぶずれてしまったとも感じます。

一方、虫や花々はその年々(ひょっとすると前年から)の変化を感じ取っているのでしょう。毎年若干開花や発生時期が異なったりします。
「今年は開花が早いな」、「もうセミが鳴き始めた」、「花芽が多いから来年はシャクナゲが奇麗だろう」etc…….
変化に適応するのは時として大きな労力を伴うのでしょうが、生き延びるために日々アップデートしている生き物たちに感銘を受けます。

先人の知恵を活かしつつ、動植物たちの適応能力も見習いたい。
雪の妖精を眺めながら、そんな欲張りなことを考えた朝でした。

*雪虫は一度どこかに付着してしまうと飛べなくなってしまうらしいのですが、写真の個体は無事に翅を広げて飛び立っていきました。



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