面白い人
大学に入学したとき、 体を鍛えたいと思いボート部 (体育会) に入った。 その部は年間10ヶ月以上合宿がある部で、正直これから大変な学生生活になるのではないかと恐れた。 さっそく合宿が始まりすぐに全国いろいろな地方からの出身者と友人になった。 朝から晩まで一緒に生活するということは私生活がないということで、 自分という人格が周りの人間にウソ偽りなく丸出しの状態に置かれるということである。 食生活でも、こんなことがあった。ある時、ぜんざいが合宿中にふるまわれた。部員Sがおもむろにぜんざいの腕を持って厨房へ。 大盛りのどんぶりを抱えて戻ってきた。「ぜんざいはこれだよな」と白いご飯にあずき色の汁と小豆がかかっており、がつがつと食べ始めた。また、こんなこともあった。 部員Kは練習が終わったTシャツを親切にも洗濯してくれた。 脱水から取り出されたそれは猛烈な悪臭に見舞われていた。「これ、 干してね」と返されたのだが、聞くと、洗濯機に洗剤を入れたことがなく汗まみれのKと私のシャツがぐるぐる回っていたという次第。 医学部の部員Mは練習が終わった後、ドイツ語の予習のため、いつも午前3時ごろまで勉強していた。(合宿中は午前5時起き) 世の中にこんなに勉強するやつがいるんだ、と驚きもし、納得もした。 まだまだ 奇人変人の話は続くのだが、彼らはいまでも、数年に一度は会って酒を酌み交わす友人である。高校生の皆さん、友人は大切です。 これから10年間ぐらいの間にどのような出会いを持つかとっても大切です。 その前にまずは「若者よ! 心身を鍛えよ。 そして、 リアルな世界で勝負せよ」。