いいもん!わたし天才なんだもん!

3月だったと思う。
当時通っていたB型作業所での対人トラブルに悩んでいたわたしに、主治医はこう言った。
「ストレスに対する反応が早い」
そして、アトモキセチンという薬を処方した。
ADHDの薬だ。

わたしは憤慨した。
不注意も多動もないのにADHD呼ばわりとは失礼な!
ちょっとなんかある度ポンポン薬を出す医者なんて信用できるか!
けれど、小心者のわたしは主治医に逆らわなかった。
そして、嫌々ADHDの薬を飲み続けた。

効果を実感したのは最近だ。
以前より、対人トラブルからの立ち直りが早くなった。
フラッシュバックも少なくなり、グループホームの社長に難癖をつける頻度も減った。
いい方向に向かっている、と言える。
薬は確かに効いている。
悔しいけれど、わたしはADHDだったのだ。
認めたくはないけれど、わたしはADHDだったのだ。

けれどわたしはくじけない。
ADHDには天才が多いと聞いたことがある。
(天才にはADHDが多い、だったかも知れない)
わたしは天才なのだ。
誰にも認められていない、孤高の天才。
誰にも理解されることのない、孤独な天才。
なんだか気分が上がってくる。

人に話してはいけない。
黙って心の中でつぶやくだけでいい。
「いいもん!わたし天才なんだもん!」
それで行こう。
そうしよう。


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