夏が来る

梅雨の晴れ間にセミがミンミン鳴いている。
今日は7月15日。
梅雨が明けたら猛暑の日が続くのだろう。

子供の頃、夏は好きだった。
長い長い夏休み。
祖母の家から歩いて川に泳ぎに行ったこと。
川から帰ってきて、祖母の作ったホットケーキ、それに塩をふったスイカを食べたこと。
幸せいっぱいの夏休み。
わたしの中では夏イコール幸せだった。

時代は変わってしまった。
わたしは夏が来るとうんざりするようになった。
猛暑に次ぐ猛暑。
それはもう、命がけで過ごさなければならないほどの暑さ。

それでも、セミの鳴き声を聞くとウキウキする。
それでも、ジリジリと灼けつく日差しにテンションが上がる。
それでも、肌が浅黒く焼けていくことを、誇らしく思う。
そして、8月の終わりになると、なんだかせつなくなってくる。

夏イコール幸せ。
わたしには、そう刷り込まれている。
だから、ほんとうは夏なんてそんないいものじゃない、とわかっていても、梅雨明け間近の今、わたしはほんのり嬉しくなっている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?