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人生初のデートと間違いなく意識した映画のetc…


初めて子供だけで観に行った映画『戦国自衛隊』からの…
初デートは『男はつらいよ』寅さんが結んでくれた本物の恋

当時小6の私の映画スタイルといえば、東映まんが祭りに親と観に行ったり、妹と2人で映画を観て、終わる頃親が迎えに来る・・・そんな感じで映画鑑賞スタイルが定番化していた頃に、突然の最初っから最後までおひとり様での映画鑑賞!しかも男子と行くという・・・そんな恥ずかしげもなく忘れられない映画鑑賞になったお話です。

 ある冬の日の教室の休み時間、いつものように大好きなS君の行動を逐一目に焼き付けたくて席が近くなった奇跡を祝うが如く、それこそ手が届く位置にいる脇で男子数人と「映画観にいこうぜ!」と盛り上がるS君に何気なく口をついた私の言葉は「その映画私も観たかったんだよね。」と無意識に呟いていたのです。

「まじ?じゃあ行こうぜ!決定!」といきなり仲間入りした私・・・え?なに?その展開!仲間に入れてくれたその事が軽い目眩を起こす程強烈な急展開決定事項で、実は全く知らないその映画に興味どころか、映画に大人がついて行かないのに小学生だけで行っていいの?風紀係として処罰対象になっちゃう?と、まさに映画のタイトル並みにどの時代の人だよ!という今では考えられないような自分なりの自問自答に悩み、それから数分後には嬉しさよりとにかく親になんて言おう・・・黙って行こうかと不安な気持ちでいっぱいになって、、、だけど気付いたらそれよりも何よりもあのS君と映画!絶対これはデートだ!(いや、男子他にもいますが)と心がワクワクで膨らみすぎて窒息するかと思う程嬉しくて眠れない夜になった事が今でも鮮明に覚えている映画の思い出です。

あっさり決まった勝手に決めつけた映画デート(勝手に命名)の日はあっと言う間にやってきました。
私は母にきちんと友達数人と映画に行く・・・と伝え、帰る時間や誰と行くのか・・・女子の中に男子が1人混ざっていると平然と嘘をつき、お小遣いをもらって出かけました。(男子数人の中に女子1人が正解ね)
あんまり覚えていないのですが、どう言う経緯でS君の家に上がったのかは覚えていないのですが、学校から近かったこともあったからなのか、自転車でS君の家にみんなで集合してそこから街の映画館に向かいました。もうその時点で大好きなS君の部屋に入る・・・そんなことに舞い上がり、何回も何回もゼンマイを撒く自分がいて、心の中にオルゴールのバレリーナがくるくると回転していました。

今でもS君の部屋の青で統一されたベッドカバーとカーテンが風でひらひらたなびいている様が鮮明に思い出されます。
あの時何人男子がいたのかな・・・誰だったのかな・・・覚えてないや。
だけどとにかく誰と並んで座るのかとか、どうやって座るように決まったのかとか、、、全く不明だけど、ちゃんと私の右隣りにS君が座ったことは覚えています。
 映画が好きな彼はパンフレットを毎回買うと言って売店に向かい、私も当然でしょ!とばかりに一緒に買いに行ったことを唯一の2人だけのデートとあの頃は呼び、当時幾らだったのかな、覚えてもいないけど大して欲しくもない映画のパンフレットをさも集めているかのような素振りで、一緒に並んで適当なうんちくを並べてお喋りしながら買ったことだけは今でも思い出す。
なんて健気な私?
いや、アホな私だ・・・と思うのですが、あの頃はS君に認めてもらいたい、スキになってもらいたい、そんな想いが強すぎて人並みな行動なのかそれ以上なのか?内容もよくわからない映画を楽しみにしたものです。

映画といえば先に書いた東映まんがまつりとかそれこそ小さな恋の物語、、ベンジーとか火の鳥とか・・親がチョイスするものを観に行くのが常でしたので、この映画は当時の私には内容的にもセンセーショナルで、今でも何故か八つ墓村のカマを持ったおっさんのシーンと、映画の中のどこかのシーンの首を切られて台に乗せられてる?そんなシーンがごっちゃになり、ただただしばらくは悪夢に変わったことだけは付け加えておきます。

だけど映画館で真剣に映画を観ているS君の横顔をチラチラ眺める私を、私自身が思い出すという、もっと具合が悪くなることが大人になってからもあろうとは想像にも及ばず、恋というものは・・・となんだかピュアな気持ちどころか切なくて哀れな自分をアホか!と言いたくなる気持ちの方が大きくて、映画の内容はなんとなく覚えているのですが、当時の可哀想な自分を鮮明に思い出しそうであれからこの映画を観直すことはしていません。

大人になってからの初めての映画のデートが寅さんだったこと

子供の頃の映画にまつわる思い出は間違いなく淡い恋といえば綺麗だけど、あなた錯覚したな?的な?映画に失礼なデートの思い出とは違い、今の主人との映画の思い出は、とても忘れられない『寅さん』でした。
 
 私は親の影響もあって正月映画といえば『男はつらいよ』を家族で観るのが恒例になっていて、高校生の頃には自由で奔放な寅さんが大好きになり、近くの街で男はつらいよの映画撮影のためエキストラを募集しているという記事を見つけ、お金がもらえる嬉しさもあって友人を誘ってエキストラになり、その帰りに寅さんファンクラブに入会したくらいの筋金入りの寅さんファンになっていました。

 そんな私が結婚前に主人と映画に行こうという話になり、デート、映画、大人、オールナイト・・・ムフフ・・・なんじゃ?と考えた結果、どうしても観たかったのが男はつらいよの『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』しか思い浮かばなかったのでした。
だけど20代の女子が寅さんを観たい、しかもオールナイトで・・・なんてとてもいえなかったのですが、まさかの主人が「笑える映画がいいなぁ」と言うのです。
お!これはチャンス!とばかりに「寅さんなんてどう??」というと「いいね、それにしよう。」と私は人生で初のオールナイトの映画に大好きな人とまさにこれがデートだよ。。。って思いながら大好きな寅さんを観に映画館に行ったのです。

小さな映画館で、客もまばらな中でいつもと毛色の違った作風に、だけどやっぱりいつもの様に笑い転げ、最後はまた涙を流す私と旦那・・・寅さんはそうやっていつも私の心を揺さぶるのです。 

これもデートと呼ぶには「ん?」な感じではありますが、正真正銘のデート。

今でも仲良く映画といえば「寅さん」と気が合いTVの再放送で観るシーンでは、ここぞとばかりにセリフを言い合い盛り上がる私たちは、紛れもなく映画が夫婦の絆を強くしてくれた淡く素敵な映画にまるわる思い出の初デートなのでした。


#映画にまつわる思い出



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