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「いい子」を辞める

「おとなしくていい子ねぇ」
「賢くていい子ねぇ」
「礼儀正しくていい子ねぇ」

これらは全部、私が子供の頃に周りの大人たちから言われてきた言葉です。

私は見た目に人と違うところ(爪の奇形やアトピー)があり、必ずそこを突っ込まれることが分かっていたため、あらかじめ自分で答えを用意し、その他の事はなるべく言わないようにしていました。

「この爪は生まれつきなんです。誰かに移ることはありません」と幼稚園児がオトナに向かって言っていたら、それは確かに大人びて見えただろうし、賢くて礼儀正しく見えたんでしょう。
ちなみにこの「生まれつきです」は、母親が言っていた言葉をそのままコピーしたものです。

普通なら小さい子供に対して掛ける言葉って、例えそう思っていなかったとしてもお世辞で「かわいいわねぇ」くらい言うと思うんですが、私の場合は「あら、あなたの爪、変わってるわねぇ。どうしたの?」でしたから、自然とこのような返答をするようになったんでしょう。

もしくはそう言われた時に、決まって母親が困った顔をしていたので、私が代わりに言うようになったのかも知れません。
いずれにしても、おとなしい、賢い、礼儀正しいが私のキャラとなり、アイデンティティとなった時、自分は「いい子」で居なければ、という思い込みが出来上がったモノと思われます。

ただこの「いい子」で居るのも結構つらいモノで、本当は「嫌だ」と思っていることでもそんなことを「いい子」は言ってはいけないし、友達からイジメられても「いい子」だからそんなことは言えないし、「賢い」から常にテストで良い点を取らなくちゃいけないし、いつも「礼儀正しく」振舞わなくてはいけないし…

自分に枷を嵌めながら生きるって、つらいです。
だから今は、出来るだけ自分の思うことを言い、品行方正を辞め、ダメな自分で居ることを良しとするようにしています。
それはそれで問題がありそうですが…

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