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ピッチ 3分、 ミーティング 2分

ビジネス・ブレークスルー大学のデジタルファーストキャンプ(D1C) 参加ログ5


ピッチ3分

デジタルファーストキャンプ: D1Cの最終課題では、3分の動画提出とともに3分ピッチ(Pitch)も含まれていました。3−10分という時間制限は、スタートアップ企業のビジネスピッチで与えられる一般的な条件のようです。

ChatGPT3.5によれば、”ピッチは、短い時間内に自分や自分のアイデア、プロジェクト、またはビジネスを効果的に紹介し、相手を説得するためのプレゼンテーション形式”であり、"投資家への資金調達のためだけでなく、ビジネスのアイデアを共有し、協力を得るためにも利用される"とのこと。
その他Web等で調べてみると、その目的は「相手の決断を引き出す」「聴衆に自分のメッセージを理解させ、共感を生むことができる」ことで、自分のサービスやプロダクトを紹介やアピールをするプレゼンテーションとは目的が異なるという説明がありました。

参考として、ピッチに役立つ資料がまとめられた東大のfoundXのリンクを見つけたので添付しました。

ミーティング 2分

ピッチ3分とその目的まで調べて私の頭に蘇ったのは、欧州系金融機関でのあるエピソード「2分の役員ミーティング」でした。この経験が教えてくれたのは、ビジネスにおいて報告よりも決断が大切だということでした。
20代後半、日本の大手メーカーから外資系金融機関へ転職しました。そこでは仕事のテンポが3倍に感じられました。あるとき、プロジェクトが渦中にある中にもかかわらず上司が急遽不在の状況で、上層部への相談が急務となりました。しかし驚いたことに、役員秘書にはミーティングでの各自の制限時間が2分である告げられました。
部屋の前には次々と待つ人々。秘書がタイマーを持ち、「あと1分!」と叫ぶ中、ビジネスの本質を学びました。報告だけではなく、状況と解決策を2分で説明し、YesかNo、承認か却下、または2−3案から最適なものを提案して合意してもらうこと。これはまさに、ピッチで相手の決断を引き出す技術と同じでした。
時にはストップウォッチを使ってまでタイムマネジメントをするやり方には驚きましたが、別の機会にプロジェクトリーダーから「相談・報告はいちいちしなくていい」とのアドバイスもありました。自分で判断し、行動する自律性が求められ、初めは戸惑いましたが、それが業務での効率的なコミュニケーションの秘訣であることも理解しました。
「ほうれんそう: 報連相が大事」という日本の組織文化で学んできた経験とのギャップを感じましたが、外資系企業は決して効率を重んじるだけではありません。ある時、緊急案件でこの役員の部屋へ伺ったのですが長蛇の列を待てない状況に、自席に戻って緊急対応をしていました。部屋の様子を伺う私の姿を見たらしい同じ役員が、フロアの異なる私の席まで足を運び、「何かある?」と声をかけてくれたこともありました。超多忙な中でも部下の様子に敏感で気配りを忘れないこの役員の姿勢に感動したのを覚えています。
この2分ミーティングの心得は、転職した外資IT企業や関わっているNon-Profit団体など、その後のキャリアで何度も役立ちました。30秒のエレベーターピッチはまだ苦手ですし、いつもこのスピード感を求められるわけではありませんが、相手からいただける時間を大切に考える姿勢と、必要なときに短く効率的に相手の決断を促す、という経験は私の武器となりました。



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