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2023/6/24 13:00公演【ある馬の物語】

概要は以下を引用。ロシア。文豪。トルストイ。
如何にも難しそうな内容ですね。そんなときには成河さんに咀嚼して頂きましょう笑
ということで、またもや推しの成河さんを目当てに久しぶりに観劇してきましたよ!

ロシアの文豪トルストイ原作の名作を、白井晃の新演出と魅力的なキャストたちの出演で上演します。
「生きることとは何か?」という普遍的なテーマを、愚かな人間と聡明な馬とを対比させながら叙情豊かに問いかける作品です。
音楽と身体表現の要素をふんだんに取り入れた、白井演出ならではの舞台にご期待ください。

世田谷パブリックシアター公式サイト

工事現場?の足場で組まれた舞台装置。作業員のような風貌の人が転落して年老いた馬に転生するところから物語が始まります。

彼はホルストメール(=成河)。若い馬たちにやじられ、貶されながらも若い頃の話を彼らに聞かせる?回想する?
ホルストメールはある厩舎で生まれ育てられた。
しかし容姿はまだら模様のため苦労を強いられる。例えば恋の戦いに敗れ、激情してしまったホルストメールは牝馬を襲い人間に去勢されてしまう。場面は転換してたくさんの人間を観察してきたホルストメールのモノローグが始まる。

さまざまな人間に所有されてきたホルストメールはそれが彼らの幸せなのだと認識していく。人間は所有をすることに喜びを感じる生き物でそれはしょうがないことである。それが幸せなのだと。

おそらくここのシーンは最後の結末につながる大切なシーンのため劇中内ではモノローグという印象的な形式で表現されていたのかもしれないです。

しばらくすると選評会?で、ある公爵が馬を品定めに厩舎にやって来るシーンへ。結局ホルストメールはその公爵に所有される。公爵に所有されるまではそれを不幸と捉えていた(人間のエゴで去勢されてしまうという経験をしたことから来るものか?)が、公爵との生活は幸せだと感じていく。

それには公爵との出会いのシーンに理由があるように感じられる。ホルストメールの思う3つの自分のネガティブなところ(まだら模様(ぶち)、去勢、人間に所有されていること)のうちの公爵はぶちの部分をとても評価していた。主観的にはネガティブな特徴だと認識しているとしても、他者からはそれもポジティブに捉えているという事実に自己肯定感が上がったのでしょう。
ここで分かるのは馬(所有される側)にとっては所有者の性質によって幸せにも不幸にもなるということだろう。この後に公爵の失恋シーンがあり、そこからは不幸に転落してしまう。やはり一概に人間(所有する側)が所有することで幸せを掴める訳ではないということが分かる。それは人間の心の状態によって左右されるものらしい。

ラストシーンは馬も人間も生き絶えた後の2体の屍のモノローグで、主題を綺麗にまとめ印象的だ。馬は「その場に残った頭蓋骨、大腿骨を他の誰かに所有され有効利用された」。一方、人間は「ぶよぶよに膿んだ身体はその場で腐り果てるだけだった」と。人間は所有する、馬は所有されるという性質は避けられないもので、それをどう捉えるかは自分の行動次第と訴えているように感じられる。

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