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2023/1/14 13:00公演【宝飾時計】

帰宅しパンフレット、台本を読み漁り感想をまとめるこの時間楽しく贅沢。

手元に台本がある。今までは観劇したときの記憶を反芻して感動し、共感したフレーズをそれっぽく自分で作り直して解釈してたが、今回はそのため観劇での記憶の鮮やかさが全然違う!

主人公は子役から活躍する舞台女優。
過去出演していたミュージカルの20周年記念公演の企画をきっかけに彼女を含む当時トリプルキャストの3人が集まることになりそれぞれの人生にスポットライトが当たるという構成。かつて舞台女優として居場所を共にした3人が年を重ねたいま全く異なる人生が構築されている。

初めに自分が感じたこと。

『人生には手に届くくらいの目的があることってなんだか大切そう。そしてその方が比較的ラクそう』

☆場面冒頭、子役当時の舞台プロデューサーが千疋屋のケーキを差し入れ好きなものをみんなで選ぶ場面、好きなショートケーキを正直に好きと言えない感覚に共感を得た松谷ゆかり(高畑充希さん)と相手役の勇大。(この感覚自分も「分かる分かる」と客席側から一方的に二人の世界に入ってしまいました笑)
この後どのケーキを食べたいかという質問に答えることの出来ないゆかりに対して勇大は

『誰かには正直に言っておかないと、一生本当のこと言えない人間になるよ?』

『宝飾時計』台本

と伝えた。この言葉は将来勇大自身を悩ませる。(なぜ悩んでいるかは舞台で是非!)
また、ゆかりも彼のそんな状況に悩み続けていく。それはなんとなく始まったゆかりの女優生活に「目的」を添えたのは「彼への恋心」または、「彼との幸せな生活」のため。しかし、そんな状況になれない勇大はゆりかの「目的」を手に届かないものにしている。(先程「分かる分かる」と共感していたふたりがこうなると自分までツラいです。。。)

☆一方で田口杏香(伊藤万理華さん)はというと、子役時代の勝ち気な性格の女性が20年後には毒親の過剰な期待へのプレッシャー、挫折の連続に耐えきれず引きこもりとなってしまった。杏香に関しては人生に「目的」が持てておらず、本人はこう話している。(この役どころとても体力必要そうだし、自分の「目的」を見出だせていない状況にマッチし過ぎて痛すぎました。。。)

『わたしよりはあなたの時間の方がちゃんと進んでいるよ。時間が止まってしまうってわたしみたいなことだよ。なんのやる気もなくなっちゃって、何にも興味が持てなくて、無気力になっちゃうことだと思う。』

『宝飾時計』台本

☆そんな中一番器用に人生を全うしているのが板橋真理恵(小池栄子さん)。真理恵は舞台女優としての「目的」が手に入らないところから軌道修正できる強さがあった。IT社長と結婚し、タレントとしての立ち位置を確立。平凡だけど幸せな日常。(自分はこんな人生に憧れます。)

共感できるところが多いけど彼らがことごとく不幸せそうなのを観ていると自分の人生不幸になる気がして観ていてツラすぎました。。。
共依存の勇大とゆかり。誰がなんと言おうとふたりはお互い手を離しそうにありません。
勇大は素直になれよ!
ゆかりは勇大以外は「目的」になれないの?
杏香は一緒に興味のあるもの、人生の目的探していこう!

こころに刺さる観劇初めでした。

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