見出し画像

3分間だけペシミスト

子どもの頃、たぶん高校生くらいまでは自分のことを楽観的だと思っていて、難しいことなんて考えていないし恵まれた家庭に育って、楽しい思い出さえあれば辛い記憶や嫌な思い出に塗り潰されたりしないタイプの人間だった。
いや後者については今もそうなので、そうじゃないと思うようになったのは「楽観的で難しいことは考えていない」という部分なんだけど、そう気づくようになったのはインターネット上での交流を始めてからだったと思う。

こう書くとネットでの人付き合いとリアルの人付き合いは云々…みたいに読めてしまいそうなので早めに書いておきたいのは、私がインターネットを始めたのは高校を卒業してからのことで、割とそういうのに触れること自体が遅かったということだ。
じゃあ何かと言うと、社会に出てから、自分を俯瞰する方法も、過去の自分の振り返り方も、ちょっと変わってきたなぁと思うのだ。

まず、自分はそんなに楽観的ではなかった。
人の言葉に一喜一憂したり、世界情勢や自然現象で落ち込んだり不安に駆られたりもする。
むしろ過剰にマイナスに考えることもあったりするあたり、悲観的だとすら思うこともある。

とはいえ、常に何かを憂うペシミストなわけでもなく、日々のツイートなんかは「!」が異様に多いし、実際に声もでかい。

楽観的と笑うほどプラス思考ではなくて、悲観的と嘆くほど引きずっているわけでもないのだ。

今ではもう自分のことは楽観的と言えるほどではないと思っているし、むしろ面倒くさい人間を自称しているのだけれど、そうするようになったきっかけは、ツイッターで仲良くなった人に「気難しい人」だと言われたことにある。

変人一家で育った自負があるので、そう言われることに対して憤慨するとかそういうのは一切ないのだけど、昔から自分の考えを赤裸々に発信していたので、普段のツイートの端々に気難しさが滲み出ていたというよりは、定期的に長文で考え込むことを指して言ったことだったんだろうなと自己分析している。

少し前に、喋るよりも書く方が向いていて、書くことが好きだと書いたのだけれど、文章を書くのが好きなのだ。

文章も絵も漫画も、創作の手法として一通り嗜む方の人間ではあるが、文章を書きたい、と思うことが圧倒的に多い。
そしてそれは創作でなくてもいい。何ならこうして文章として書き留めておかなくても良いとすら思う衝動なのだ。

もちろん巧拙なんてどうでもよくって、一度書いたことを何度でも読み返したりするし、同じテーマで何度も書いたりもする。——実際に書き留めていないことの方が多いので、正確には「何度も書く」ではなく「何度も考える」なのだけど。

意図して沸かせようとする創作意欲は、何故か白い雪が踏み固められた通学路の記憶を伴っている。たぶん冬道を歩きながら考えていたことの印象が強いのだろう。
一方で、何かを書きたいという漠然とした衝動は特にこれといって特定の何かと紐づいていることはなく、強いて言うならば春や秋といった季節の変わり目に感じる、何となく胸の底がスカスカするような感傷に近いかもしれない。

季節の変わり目は苦手だ。
創作のモチーフとしての春というのはとても好きなのだけれど、実際の春や秋には昔から気温差で体調を崩しがちで、なんだか気持ちも不安定なことが多い。
だからこそ、ぐるぐると、いつもより多く頭の中に言葉を浮かべて思考することが多いのかもしれない。

実はここ最近、ちょっとした心配事が重なっていて、昨日も折しも好ましくない一報を友人から受けたばかりだ。
不安なことがあると、どうしても落ち着かなくなって、自分だけ世界からふわふわ浮いているような気持ちになって、時には泣き出してしまいたくもなる。(実際、涙を流すことはストレス発散に良いって、かつて行った嵐のワクワク学校でマリウス葉が言っていたので、たまに意図して泣こうとして泣いたりすることもある)

そんなこんなで不安な気持ちのまま眠ってしまったので夢見もよくなかったのだが、出社する間、ぼんやり眺めていた車窓の向こうの青空が綺麗で、何かを書きたいなという衝動に駆られて今朝からnoteを開いたり閉じたりしていたのだけれど、そうやって文章を書こうとしているうちに、ざわざわしていた心はちょっと落ち着いたような気がしたのだ。

昨日の夜は、そうやって変にぐるぐる考え込むから気持ちが塞ぐのかもしれない、もう考えることなんてやめよう、と思って眠りについたのだけど、実際に考えていることを文章にしようとすると、不思議と心が落ち着いた。
無理やりやめようとしないでも良いのかもしれない、と閃いて、そんな方向に舵を切ってみた次第である。

しばらくは仕事もちょっと忙しくて、まだ落ち着かない日々が続きそうだけれど、考えるのやめなくていいやって思ったらちょっとだけ楽になった気がするので、気分が塞いでしょうがない時こそ、なんでもないことを文章にしてみようかなと思いつつ、衝動がない時はおもろい動画でも見て声上げて笑ってから寝ようと思う。

おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?