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11/3 『ゴジラ-1.0』を観た

面白かった。近年のゴジラ作品と比べると、明確に「敵」、しかも「怖い敵」としてあらためて描かれたゴジラで、そして更に舞台による効果、第二次大戦終戦後のさあこれから復興だって時に現れたことで「怖い、しかしどうにか倒さなきゃいけない敵」としてのゴジラだった。多分今回のゴジラは、人間のことなぞまるで見ていない。戦艦も戦闘機も人間も爆弾も同等に害虫扱いだろう。そしてそれは人間側も同様で、復興への障害以上の意味が無い。ゴジラを目覚めさせてしまった(アメリカの)罪とか、神なる存在としてのゴジラにどう対すべきかとかは……ちょっともう、今は(今回は)無理! とにかく、どうにかしないと! という余裕の無さ。そういう世界観や設定的な楽しみはあんまりできなかった……いや、第二次大戦期のミリタリー方面に関してはそうではないのかもしれない。俺はそっちは詳しくないのでただ格好いいなあと思うしかなかったが。
神木くんら機雷清掃チームの面々は、ちょっと演技が仰々しく……どこかコントっぽくなるところがあり、あんま没入はできなかったところはある。なんか佐々木蔵之介の口調とか、アルコ&ピース平子のやるコントみたいに見えちゃった。平子の邦画演技形態模写が巧いのか……。ただ佐々木蔵之介のキャラクターは、昭和ゴジラだとわりとしっくりきてたような気もする。俺が唯一観た昭和ゴジラの『キングコング対ゴジラ』での人間達はドラマにちょっとコメディ感もあって、もしかしたらそれをオマージュしてたのかな。ただそれは今回の舞台には少し浮いて見える。いや、それもアリではあったとも思う。特に対ゴジラへの作戦会議のシーン、凄そうに見えてだいぶ博打、ところどころ穴だらけなのを佐々木蔵之介につっこませるあたりは結構ハマっていて、時代設定が悲惨だからこそあえて明るくやるのもアリだったのではないか。いっそ彼を主役に据えるという案。神木くんは神木くんでガチシリアスをやり、硬軟二段構えの作戦。
でも最後に浜辺美波が生きていたことに、奇跡が過ぎると思うより良かったね、生きてりゃ良いことあるんだよね、と思わせるには神木くんを主役にしてがっつり苦しませなければいけなかったのかな。
最後のシーンは、お約束にしたってストレート過ぎるよという感じだったが、続編への布石ということなのか、どうなのか。でもこのゴジラ、ちゃんとVSしてくれんのかな。

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