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2022年12月の記事一覧

12/29 『図書館の魔女 第三巻』を読んだ

物語も後半に差し掛かった今頃になってようやくというか今更というべきか、文体というか、描写の具合にようやく慣れ親しんできた気がする。だって言葉とか難しいし……何を言っているのかを理解するので手いっぱいで、この物語がどういう物語なのか、登場人物たちは何の為に何を為そうとしているのかというとこまで頭が回っていなかった。あるいは、何を為そうとしているかはわかったけど、その為に何故これを言うのか、なんで今こんなことをしてるのかとかがわかってない、そのどっちかだった。今巻に至って、ようや

12/20 『骨灰』を読んだ

ホラーものは苦手だし、そう沢山観たり読んだりはしてないので滅多なことは言えないが……それでもこんなに、出てくる怪異怪現象に対し「コワイ!」と思うと同レベルで「この、クソ、お前、っの野郎……!」と、敵意というか、忌々しい思いをいだくホラーというのもなかなか無いんじゃないだろうか。とにかく、いやらしい。罠を張って獲物を穴に呼び込み、因縁をつけたら……まさしく、暗いところを探って灰が服についたとか、そういうレベルで「因縁をつけ」てくる……相手の家に侵入し、獲物に憑りつく。そして好き

12/6 『魔術士オーフェンはぐれ旅 ハーティアズ・チョイス』を読んだ

新アニメの2期開始と同時期に刊行されて、その時に購入したのだが、他に積んでる本を消化してるうちにタイミングを逃して積読リスト入りさせてしまい、なんならアニメもアマプラ解約してしまったので途中で止まっていた。リストを消化しようやく読みだしたころにはなんと、アニメ3期の放送が発表されていた。一周してタイミングが良かった、のだろうか。 ただ今巻の主役であるハーティアは、たぶん3期には全然出てこないんだよなあ。ていうか2期にも回想以外じゃ出てなかったんじゃないだろうか。そんな蚊帳の外

12/1 『新装版 タイム・リープ あしたはきのう』〈上〉〈下〉を読んだ

今からおよそ20年近く前、中学生の時に図書室で図書当番のかたわら読んだ思い出。……もしかしたら高校生の時だったかもしれない。その場合はおおよそ17年前。読んだのはその一回きりだったのに、「貸しましょうか?」とか、若松くんのじっと見つめる癖だとか、日記のメッセージができるくだりとか、印象に残り続けてるシーンが多々ある。さすが伝説の名作である。今回新装版が出たのを見て、懐かしくて即買いした。 あくまで思い出の振り返りのため、本そのものを楽しむよりも記憶との歓談を楽しむために読むつ

11/30 『あとは野となれ大和撫子』を読んだ

タイトルに惹かれて手に取って、あらすじを見て面白そうと思い購入。著者の宮内悠介さんの作品は『盤上の夜』と、あと短編を何作か読んだことがある。あと、宮内さんが編集をしたアンソロジーも読んだ。 だがそのタイトルやあらすじの強烈なフックは、良くも悪くも働いた感がある。主人公のナツキは物心つくかつかないかの頃に家族を戦災で失い、後宮(が形骸化した教育機関)に拾われて高等教育を受ける。そこには様々な国からそれぞれの事情と信念、或いは信仰を抱えた女性たちが集められており……ってなるともう