8月ゲーム業界ニュースまとめ

 今月はニュースが多め。China Joyの開催と中国政府の「ゲームはアヘン」発言から始まり、Activisionのジェンダー問題、最後はAppleのアプリ外での他決済の認可と一つだけでも大きいトピックが盛りだくさんだった。

※重要なニュースだけ黒字&解説つけます。

【Free to Play】

8/6
「ファンタシースターオンライン2」シリーズの全世界累計売上が1000億円を達成。全世界総登録ユーザーは900万人を突破 https://www.4gamer.net/games/120/G012075/20210806018/

8/19
プレイヤー数急増の無料FPS『Splitgate』ベータを延期して正式リリースを無期限延期―ベータ版は1,000万D https://www.gamespark.jp/article/2021/08/19/111174.html

特に大きいニュースはなし。ただし、Spiltegateは評判も良い&ぼく個人の感想としても面白そうなので注目しておいていいと思います。

【eSports】

8/7
大手芸能事務所とYoutuberのコラボ22万人を集める。 https://news.yahoo.co.jp/articles/1256d006306cc2b248954b8b948d35f4d152e062


8/10
IBM disappears from the list of Overwatch League partners https://www.sportsbusinessjournal.com/Esports/Sections/Leagues/2021/08/IBM-OWL.aspx


 Activision Blizzardが提訴されたことを受けオーバーウォッチリーグのスポンサー2社が契約を再検討へ https://jp.ign.com/overwatch/53771/news/activision-blizzard2

8/10
TSMが日本アカウントを設立
https://twitter.com/TSM_JP


8/25
RAGE PARTY 2021 Autumn Apex Legendsアリーナチャレンジカップ開催!国内大型エンタメ大会初のApex Legendsアリーナモード大会MCはジャングルポケットに決定! https://news.biglobe.ne.jp/economy/0825/prt_210825_1603650655.html

 eSportsでは3つほどピック。一つ目は『葛葉』、『Stylishnoob』、『山田亮介』(敬称とかは省略させてください)が22万人も集めたという話。日本国内だと過去一だと思う。それだけvTuberやゲーム実況者が力を持ち始めたということでもあるし、一方でレガシーコンテンツであるジャニーズがゲームへ本格参入を始めたということでもある。昨年は芸能人×ゲームが珍しかったが今年はそれが当然の流れになっている。一つのエポックメイキングな出来事なのだと思う。
 2つ目はIBMがActivisionのOver Watchのスポンサーを降りたという話。欧米ではスキャンダル問題がゲームのスポンサーを下りる話になるまでに発展している。当然株価も下がっている。日本のゲーム業界の環境はまだまだそういう温度感じゃないと思うが、欧米の株主などはそうじゃないという認識だけは持っておいた方が良いかもしれない。
 3つ目は、TSMの日本進出。ぶっちゃっけスポンサー集めの可能性が高いと言われている。eSports自体がコンテンツ単独で利益化が出来ておらず、儲けているのは組織ではなく実況者であることが鮮明化してきたというのが一番の大きくて、TSMのような世界有数の大所帯でも資金が苦しいのだろう。最近、eSports×仮想通貨(NFT含む)が多いが、この辺りの流れも押さえておきたい。(https://www.negitaku.org/news/n-24776)

【Others】

8/1
China joy
https://www.vipo.or.jp/news/27807/

8/4
ネットゲームは「アヘン」 中国、テンセントに包囲網 https://www.asahi.com/articles/ASP8464NMP84ULFA00Y.html


8/7
コロプラ、任天堂に33億円支払い 特許権めぐり和解 https://game.asahi.com/article/14411281

8/10 ​
VRゲーム開発を行うThirdverse、代表取締役CEOにgumi Founderの國光 宏尚が就任、約20億円の資金調達を実施。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000024885.html

8/11 
Burberry が Blankos Block Party とタッグを組んだバーチャル NFT コレクションを発表
https://hypebeast.com/jp/2021/8/streetsnaps-sharky-b-burberry-blankos-nft-release-info

8/14
国民生活センター、子どものオンラインゲームの「課金」を巡る相談件数が大幅増と発表 「おうち時間」背景に利用時間増加 保護者向けの注意喚起も https://gamebiz.jp/news/331307

8/17
グリー、Supercellと米国で提起していた訴訟の和解が成立 Supercellに保有特許の非独占的使用権を付与 両社で機密和解契約も締結 https://gamebiz.jp/news/331423

8/21
Epic Gamesストアが無料配布した『GTA 5』で700万人の新規ユーザーを獲得していた―Appleとの裁判資料で明らかに https://www.gamebusiness.jp/article/2021/08/21/18961.html

8/23
10代20代の約30%がほぼ毎日、"ゲーム実況動画"を視聴すると回答【ゲーム実況に関するアンケート】 https://www.jiji.com/jc/article?k=000000031.000077217&g=prt

8/23
電通、ゲーミング領域でスペインのSYN社と業務提携、 Z世代を中心としたコミュニケーションアプローチを一層強化 https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20210823089/

8/27
Apple,デベロッパがiOSアプリ以外での支払方法の情報をユーザーと共有することを認める。集団訴訟原告との対話で合意 https://www.4gamer.net/games/999/G999904/20210827056/


8/27
ゲーム業界へ進出するNetflix,ポーランドでAndroid向けゲームの提供を開始。ストレンジャー・シングス関連の2タイトル https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20210827083/

8/27
[CEDEC 2021]新興国のゲーム市場では何が起きているのか。「新興アジア諸国のゲーム産業・市場の現在:東南アジア,南アジア,中東」レポート https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20210827135/


8/31
中国の未成年オンラインゲーム規制、関連株が下落 愛好家は怒り https://news.yahoo.co.jp/articles/74a4cff512894942b125becf27e737d24b1de9f0

 上記の流れにつながるけど、NFT×ゲームの流れでBurberry と Blankos Block Party とタッグの件は重要。個人的にはAxieに投資をしているけど(ゲームは多くのケースにおいて、最初の勝者がずっと勝者になるので)、まったく別の手口で次の勝者が表れる可能性はある。余談だが、次のゲームの本流が何かという話を考えると、インディ・VR・ブロックチェーンゲームなどが考えられるが、Axie Infinityの成功はブロックチェーンゲームの成功段階を一つ上に挙げた感覚がある。今後はゲーム関係者も仮想通貨・NFT回りは知らないといけない必須な知識になっていくと感じる。
 次に、Appleが、iOSアプリ以外での支払方法をディベロッパーがユーザーに教えることを認めたという件。あまり意味がないという人もいるが、アプリ→自社決済へのただ乗りが許されるようになるということなので、iOSストア以外プラットフォーマーにとってはかなりの朗報だと思う(というより、そうなるように圧力をバリバリにかけていたのだろうが)。このニュースに関しては、色々話し過ぎて語ることは多くはないが、一番印象的なのは、GAFAという情報を武器に世界を支配したアメリカに対して、独占禁止法と個人情報保護という別のロジックを持ち出したヨーロッパの戦い方だ。あんまり日本、日本というと何かと思うが、こういった既存ルールを別ルールで捻じ曲げるやり方に日本の会社は弱いなと正直思う。ある種の社会正義が別のところでは社会悪になるという相対性を考える学習が不足しているのだろうなっと感じる。
 次はChina Joy&中国アヘン&未成年オンラインゲーム規制について。アヘン発言に関しては、正直いまさら感があって、中国国内には昔からそういった雰囲気があったのがある。代表的なのがこの事件。そのほか、矯正施設とかもあり、別に政府だけではなく国民感情としてゲームに対する風当たりが強い層がいることは知っていおいた方が良いと思う。今年のChina Joyはテンセントがブースを閉めていたり(恐らくゲームはアヘン発表の直前だったので、余計な行動をしたくなかったのだろう)、どうにも盛り上がりに欠ける感じだったらしいし、中国国内のゲーム産業は徐々に下火になっていくと考えた方が良さそうな感じはする。国内の余ったお金をどの国に飛び火させるのか、その動向が気になる。
 最後に東南アジア,南アジア,中東のゲーム事情について。先輩の記事なのでピック。正直新しい情報は特にないが(というよりコロナで出かけられないのだろう)、とはいえ、世界中探しても恐らく一番新興国のゲーム事情に詳しい人だと思うので、追っておいた方が良い人なのは間違いがないとは思う。上の余った中国マネーがインドに流れ込む流れなんかは、佐藤さんが最初に言っていたと思う。

個人的な話】

色々キャリアについて考えた結果、弁理士の勉強を始めました。理由は

・お金が今よりほしい
 →年収1000万くらいはないとお金の心配をしない人生にはならなさそう
・営業一本でやっていけるほど営業向きな性格じゃない
 →自分で会社を立ち上げるとかはきつそう
・新しい知識を仕入れること自体は好き
 →法律の勉強とかも今のところは楽しめている。
・日本において社会の変化が思ったよりも遅い
 →古典的権威が息が長い
・ゲームクリエイターのとしての才能はない
 →プロデューサー・ディレクターはできなくはないが一流にはなれなさそう。(楽しいことが好きに極振りしていない)

なので、条件を満たす仕事を考えたときに、弁理士となりました。まずは11月の知的財産技能検定3級を受けて、5月に2級。次に弁理士試験(多分1年は難しいので、1年目筆記→2年目論述と時間をかけて準備)と本格稼働していくのは来年以降ですが、1級は実務必要、大体どこの企業も実務経験を必要としているので結構困難な道のりになりそうだなって思っています。
 そのため、「●●な事務所がゲーム関係の特許を扱っているよ!」といった情報提供や、「この人、あそこ(▲▲な事務所・ゲーム会社)なら雰囲気と合いそうだから紹介してみるか」とか紹介してくださる方がいれば、ぜひコメントしていただけますと幸いです。
 よろしくお願いいたします!

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