洋楽の歌詞で自動翻訳を検証してみた 2/3 The Beatles - Let It Be
前回は自動翻訳が登場したころの思い出を、コールドプレイのYellowの歌詞を引用して書かせていただきました。
さて、今回ですが、前回の予告どおりビートルズを題材として検証したいと思います。
楽曲は誰もが知ってるLet It Be。誰かさんの座右の銘でもあるLet It Be。
それはさておいて、検証方法ですが、まずは英語の歌詞を某G翻訳で和訳させ、その結果をまたG翻訳で英訳させ、その結果をまた…といった具合に、バックトランスレーションを繰り返していき、その結果歌詞がどのように変わっていくかを見るというものです。
では、行きまーす。まずは元の歌詞です。
When I find myself in times of trouble, Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom, “let it be”
平たい拙訳ですと、
困難に遭遇したときは マリア様が僕のところにやってきて
ありがたい言葉をくれるんだ 「なすがまま」って
平たくてスミマセン。これでも翻訳が生業です。
さて、G翻訳による1回目の自動翻訳です。
和訳①
困った時に自分を見つけたとき、マザー・メアリーがやって来ます
知恵の言葉を話す、「それをする」
「それをする」…ですか。「困ったときに自分を見つける」ってのも全然違う気がします。
それではバックトランスレーション。英訳します。
英訳①
Mother Mary comes when you find yourself in trouble Speak the words of wisdom, "Do it"
"Do it"ですか…
昔榊原郁恵が「Do It Bang Bang」という歌を歌っていたんですけど…
どっちにしてもLet it beとDo itでは大違いです。
バックトランスレーションするだけで、かなり積極的なニュアンスになりました。
では和訳します。
和訳②
マザー・メアリーは、あなたが困っているときに来ます
「やる」という知恵の言葉を話す
「『やる』という知恵の言葉を話す」…
「やる」なんて言われると、知恵というより本能の香りがしてしまいます。
再度これを英訳します。
英訳②
Mother Mary comes when you are in trouble Speak the word of wisdom "do"
ええと…「困ってるときにマリア様がやってきます。Doという金言を言いなさい」でしょうか?
Doって言われても、目的語がないんじゃ何をしたらいいのか…
あとはまとめてご覧ください。
和③ 母マリアはあなたが困っているときに来ます 知恵の言葉を「する」と話す
英③ Mother Maria comes when you are in trouble
Speak the word of wisdom
和④ あなたが困っているときに母マリアが来ます
知恵の言葉を話す
英④ Mother Mary comes when you are in trouble
Speak wisdom words
和⑤ 母マリアはあなたが困っているときに来ます 知恵の言葉を話す
英⑤ Mother Maria comes when you are in trouble Speak wisdom words
和⑥ あなたが困っているときに母マリアが来ます 知恵の言葉を話す
英⑥ Mother Mary comes when you are in trouble
Speak wisdom words
和⑦ 母マリアはあなたが困っているときに来ます
知恵の言葉を話す
英⑦ Mother Maria comes when you are in trouble
Speak wisdom words
Mother Maryもいつの間にかマリアに、Words of Wisdomもwisdom wordsになってしまいました。
でも日本語だと「知恵の言葉」がぶれることはありませんでした。
もう一度、元の歌詞をここに掲載します。
When I find myself in times of trouble, Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom, “let it be”
そして、最後の英訳。
Mother Maria comes when you are in trouble
Speak wisdom words
伝言ゲームってまさしくこれですよね。
それでは、次回はキッスのLove Gunで検証した結果を披露させていただきます。
ほどほどに、お楽しみに。
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