ロンドンのレコード屋で聞いたビタースウィートなシンフォニーの話
※改題しました
何度もここでお話している通り、わたしはイギリスが大好きです。
1989年に語学研修ツアーで訪れて以来病みつきになり、その後2回観光で渡英した後、学生としてビザをとって、1998年から4年間英国に滞在しました。
ですが、今回のお話は、1997年に観光で渡英したときのことなんです。
わたしはとあるレコード屋さんに赴きました。
ラフトレード(Rough Trade)といえば、インディーズ音楽ファンなら「ぬおおおおお!」と反応すること間違いなしの、伝説のレコードレーベルであり、ショップもロンドンのちょっと西の方にありました(今も?)。
わたし自身も、パンクの嵐が吹き荒れていた当時に印刷されたであろうクラッシュのポスターが貼ってあったのを見て、鼻血噴出寸前でした。モナリザを見たってきっとここまで興奮しない。
前置きが長くなりましたが、97年もラフトレードに行っていろいろと漁っていたわけです。
そんなとき、会話が聞こえてきました。
もちろん英語ですし、当時はまだただの観光客だったのでリスニング能力はありません。
でも、わたしにはわかったんです。内容が、自分がよく知ってることだったから。
客の男「曲を探してるけどタイトルがわからない。ミュージックビデオだと、兄ちゃんが歌いながら通りをずんずん歩いていくんだけどさ、すれ違う人にバンバン体当たりしてくんだよね」
「これだべ?」と店員さんがかけたものは、
The Verve(ザ・ヴァーヴ)のBittersweet Symphonyという曲でした。
客「そう、それだよ!」
アタシ「(日本人のアタシがわかるのに、イギリス人のアンタがわかんなかったの?!)」
いや〜、だけどなんだかいい会話聞いちゃったなあ、と思いました。
日本のCDショップじゃあんまりそんなこともしないし(今ならケータイアプリで一発ですからね)。
イギリスだとそんなふうに音楽の話できるのかぁ、うらやましいなぁ、と思っちゃったワケです。
The Verveといえばこの曲というくらい、売れに売れて売れまくったんですが、印象的なストリングスは、実はローリング・ストーンズの楽曲をストリングスでカバーした人のもののサンプリングで(ややこしいけどつまり勝手に使ったってことですかね)、一悶着ふた悶着あって、やっとこバンド側にお金が入ってくるようになったんだとか。
今ふと思ったんですけど、あのときの客の兄ちゃん、友だちに聞けば多分曲名、一発でわかったよ。それほど有名なんだから。
あなたのあたたかいサポートが、私の病院代になります。