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さよなら

何処かに行きたいと思っていても、その何処かなどどこにでもない土地でしかないことは分かっていて、しかしここではない何処かへの希求は容易に収まることはないのだ。

さよならを私自身に言いたくて屋上の鍵壊してみたい

無い土地にどのように行けるのか。そこまでの手段は? 方法は? そして意義は?
そんな自分のなけなしの理性を握りつぶしても、指の間から漏れ出るそれは私を解放してくれなくて、そしてそのことを私は安心材料とする程度に堕落してしまっているのだ。

さよならをぶつけるために手をつなぎ指を絡めてくたばれ自分

放課後の屋上とか部室とか、そんなものから長らく離れてしまった事実から目を反らさないでいるべきだ。君はもう何者でもなく、何を期待されているわけでもなく、羅針盤は乾ききった胸の中にしか存在しないのだ。馬鹿は走れ。走れるなら君はまだ生きている。走れないなら眠れ。眠れるならまだ生きることができる。さよなら、さよなら、さよなら。

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