【長編小説】二人、江戸を翔ける! 1話目:始まり④
ライトな時代小説という感じで書きました。週一ペースで投稿予定です。
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ここはよろづや『いろは』の一画にある客間。
「・・・とまぁ、こんな話さ」
お梅婆さんはいささか喋り疲れたのか、茶を啜るとふうっと息を吐く。
話を聞いていた藤兵衛は、お梅婆さんの話をまとめようとする。
「つまり、あの凛っていう娘の父親が殺されたと。で、元々素行がよろしくない人だったこともあって、犯人捜しも有耶無耶にされたと。でも、諦めきれない娘は時間を見つ