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「天才をあきらめた」とは、努力の本である。

坂井風太氏が紹介する本を読むシリーズ。

今回は山里亮太さん(山ちゃん)の「天才はあきらめた」を読みました。私が山ちゃんを知ったのは「いきなり!黄金伝説」のケーキを食べまくる企画で、まだ「山里」としか紹介されていなかった記憶…

そんな山ちゃんですが、ものすごく努力の人なのだな、とこの本を経て初めて知ります。

お母さんのほめ方

努力の話の前に…冒頭で幼少期のエピソードが出てくるのですが、このお母さんがすごい。

  • 怒られていて「反省するふり上手いねえ」

  • 一番大きい服が入らなくて「服屋さんが一番大きいと思っているよりも大きいなんてすごいねえ」

褒めて伸ばすの度合いが突き抜けている。小さい頃は気づかないかもしれないけれど、この褒め方をされて育つなんて羨ましさを感じます。

お笑いに対する誤解から行動へ

「お笑いは天才が作るものと思っていた」山ちゃんですが、徐々に変化していきます。しかし、「あの人は天才だから違う」と考えると逃げる理由ができてしまうことに気づきます。その後は

  • 逃げる選択肢ができないくらいの努力、行動をする

  • 授業に毎日出る

  • 毎日ネタ合わせする

と変化を見せていきます。「あの人は天才だから…」を言い訳、逃げ道にせず行動に転嫁するところは、先日紹介した「マインドセット」に通ずるものがありますね。

必死に努力することで天才だと思い込ませ、行動するとそのうち「自分はほかの人と違う」という自己肯定感につながるそうです。その領域まで至るから、現在の立ち位置があるのでしょうね。

珠玉の名言「肝に銘じろ」

「肝を銘じろ」という、山ちゃんのノートが出てきます。そこにある言葉がみんな秀逸。一部を紹介します。

  • 陰口言っている奴らを恨む時間は無駄

  • 手を抜かれるほどなめられているのは、相手に怒るのではなくてまだその位置の自分に怒れ

  • 嫉妬は努力不足の時に襲ってくる。向こうがすごいんじゃない。自分がすごくないと思ってしまうような生き方をしているからだ

  • 人の失敗を見て心を落ち着けるのは相手の失敗にプラスを生み出す最悪の行動。相手はただ失敗しただけなのに僕の時間を奪うことに成功してしまう

  • 自分が何を思おうが相手には何の影響もない

  • 〈目標〉他人からのよくわからない批判に屈しないくらい自分に自信を持つ

本書でたびたび出てくるワードが「嫉妬」。山ちゃんはあらゆることに嫉妬を感じるのですが、しかし嫉妬で終わらずその嫉妬心を行動というエネルギーに変換する力がとにかくえげつないのです。
それを置いても、ここにある言葉は一つ一つ身に沁みます。誰しもつい、他人の評価を気にすることがあると思います(お笑いだとより「反応」に敏感になるのでしょう)。ただし、そこに時間を割くことが無駄なんですよね。いかに行動に振り向けるか。

終わりに

何者か(天才)になるには、結局努力するしかない。しかしその努力した先には喜びが待っている、という、努力するとは何か、行動することの大切さと希望を与えてくれる本です。
坂井さんの紹介にあるように、20代でこの本を読んで、実行すると基礎体力(習慣)がついて、成功パターンもより多く作れそうですね。ただ、20代でなくても今からでも取り返そうと思わせてくれる本です。

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