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社会保険労務士~「開業」「勤務」「その他」どれで登録するか~

はじめに

社会保険労務士資格について、取ったはいいもののどう活かすか?ということは受験生の頃から気にしていました。なんせ合格率はここ数年6%台で推移しています。100人で6人しか受からない試験に合格したところで、活かす道がなければ意味がないよな、と個人的には考えています。

※もちろん、資格コレクターや、「社労士試験勉強を通じて教養を身に付けたい!」というケースは別です。それはそれで、大変すばらしい姿勢だと思います。

今回は社労士を名乗るための第一歩である「登録する」ことについて触れたいと思います。

登録の種類

社労士試験に合格しただけでは「社会保険労務士」を名乗ることはできません。全国社会保険労務士会連合会の名簿に「登録」をすることで初めて公に社会保険労務士となれるわけです(このあたりは、社労士の学習範囲である「社会保険労務士法」にも出てきますね)。

登録には
(1)開業登録(2)勤務登録(3)その他登録の3種類があります。

登録に係る費用などについては各都道府県ごとに異なり、例えば東京都であれば以下です。

https://www.tokyosr.jp/profile/entrance/

どの登録にするかは迷いました。

(1)の開業登録は費用が最も掛かります。しかし!「開業」という箔がつく(この箔の効果も知りたいところですね)ことは魅力です。開業をSNSで伝えて大量の祝電や「祝開業」と書かれた花環が届く…なんていうことを勝手に妄想していました。

(2)の勤務登録は、勤め先の会社の社労士となる方法です。幸いにも私は会社の上司に合格を報告し、登録の話を相談した際、勤務登録もOKをもらえました。当社は資格取得支援に注力しており、登録費、年会費も会社持ちという破格の待遇(?)を約束してくれました。ここまで会社に感謝したことはありませんでした。

(3)のその他登録は(1)開業(2)勤務以外で登録する、まさに「その他」です。私の中では勤務登録という選択肢が与えられた時点で、今回は選択肢に挙がりませんでした。

開業か、勤務か~広がる開業妄想~

ここに実は1カ月程度迷いました。せっかく取ったからには開業の夢は捨てきれない。

留まるところを知らないお祝い(2度目)、なんせ自分の屋号をもって開業できること。どんな事務所にするか?屋号も候補を何件も考えました。ただ、ネックがありました。

まずは社労士会の費用。大前提として、「すぐに会社を辞めて独立する」という選択肢はありませんでした。社労士には社会保険関連の事務手続きなどの独占業務(社労士でないとできない業務)がありますが、あくまで「開業」という響きと周囲の黄色い声に憧れていただけです。そこに対して、お客さんの見込みもない中で100万円の年会費を支払うというのは、正直現実的ではありませんでした。

もう一つ、「住所の登録」です。先ほど「名簿への登録」と書きましたが、開業の場合、社労士会のホームページに公開されます(勤務の場合は不要です)。

「公開」、すなわち「住所」と「電話番号」が「公に開示される」わけです(社労士会に確認しましたが、開かれた職業である開業社労士についてっ非公開は不可との回答)。名簿の公開情報なんて誰も見ないでしょ、と一瞬思いましたが、しかし法人でなく自宅の住所と電話番号を名簿に記載したら、個人情報が垂れ流し同然になるわけです。

自宅住所が嫌であれば基本的には事務所を借りることになります。事務所とすると、先述の年会費100万に加え、レンタルオフィスと電話を借りるコストがかかる。30歳前半の一サラリーマン、収入や貯蓄が何千万もあるわけではない私にとって、これは単なる赤字の垂れ流しです。

そしてこの住所問題で、個人的に決定打になったのは「私の家は社宅である」ということです。開業登録なのに社宅住まい。これはいかがなものかと。社宅を開業先にすることが法律で禁止されているわけではありません。あくまでプライドです。

ということで、悩んだ末にまずは勤務登録にしようと決めたわけです。

おわりに

長々と個人的なことを書いてしまいました。開業という響きにあこがれを持つ方はいらっしゃるかと思いますが、「住所や電話番号が公開される」「事務所を持つと年間100万の会費に加えて事務所費用もかかる」ということを念頭に置いておいていただきたいです。会社の費用補助、ひいては会社が社労士にどのくらい理解や期待があるか、もチェックポイントです。

具体的な勤務登録と、合格した際の会社の反応については、また次回以降に記します。それでは。

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