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【書く習慣チャレンジ】昔はどんな子どもだったのか

書く習慣チャレンジNo5

テーマ:昔はどんな子どもだったのか

正直言うとあんまり記憶がない。

ただ、母は自分の印象に残った話を100回でも1000回でもする人なので、その中身は覚えている。
母の話はだいたい、私に笑かされた話。しょっちゅう周りを笑わせようとする子だったらしい。

自分で記憶に残っているのは、活字が好きだったこと。そして、運動が死ぬほど苦手だったこと。

母を笑かせた話

今思えば母は、ずっと私のことを、「応援してくれる」とか「家事をしてくれる」とか、「~してくれる存在」と見ていたのだと思う。

保育園児の頃、母とスイスに行った。

母は新婚旅行で行きたかったそうだが、父はあまり乗り気でなかったらしい。
母からは「欲しくなかったのに、あんたがすぐできたから、新婚旅行に行けなかった」と再三言われた。
そんな母の夢をかなえるための旅行だった。

スイスに特に興味はなかったけれど、母が嬉しそうだったのだけは覚えている。

そして、この旅行で母が今でも話す昔話が生まれた。

スイスには、アルプスの少女ハイジの世界を再現した山小屋がある。

そこに母と私でハイキングコースを歩いて行ったらしい。途中で母が疲れて歩けなくなった。

そのとき、幼い私が「フレーフレー」と応援してくれたと母は言う。周りに生えていたお花をつんで、花束を旗代わりに振っていたそうだ。

母はそれがとてもうれしかったらしく、大人になってからも手紙なんかにその話が書いてある。

母にとっての、「応援してくれる娘」はここで終わらない。

6歳のとき、母が妹を妊娠した。

万年ワンオペだった母を助けられるのは私しかいなかった。
母の靴下をはかせ、飲み物を運んだ。そして人生で初めてひとりでカレーを作った

きっと母を助けたかったのだと思う。私にとっては、初めてのカレーだったので思い出深い。

母はこの話はあまりしない。たまに触れても、「めちゃくちゃ時間が掛かった」と笑われる。
たぶん、母にとってはいい思い出ではないんだろう。

この経験のおかげで家事全般できるようになったので、今となっては感謝しようと思う。

母の笑顔のために家事をする生活はかなり長く続いた。

次の出来事は、何歳だったのか覚えてない。
その頃の母は、毎日怒っていた。ワンオペが辛かったのだと思う。子どもが3人いて、頼れる親戚もおらず、夫は仕事優先。

父は、小学生の私が面倒を見るような人だったので、全く役に立たなかったと思う。

飲み物も入れてもらわなきゃ飲めない。おつまみも作ってもらうのが当然。残り物は、絶対食べない。献立が気に入らないと自分で肉を買ってきて、娘に焼かせる。不機嫌になると壁に穴をあける。
むしろ家にいる方が、家事が増える人だ。

今、結婚していつか母になりたい私だけれど、母と同じ思いは絶対にしたくない。

そんな母を見て、私が母に言った言葉。

「ママは好きなことしてる方が機嫌がいいから好きなことしてて」。

子どもの私がこう言ってから、大学生になるまでの10年間、母はたぶん1000回以上この話をした。「子どもにそう言われたから、自分は好きにしている」と、ことあるごとに主張した。

小学生の子どもたちを中学生の娘に託して、23時まで出かけるとき、罪悪感が湧くこともあったのだろう。
その罪悪感から、母を救う言葉だったのかもしれない。

子ども時代の私は、母を喜ばせるのが大好きだった。

反抗期に入ってからも、18歳で家を出てからも、「母が喜ぶ」という基準はどこかに残り続けていた気がする。それは苦しいことでもあった。

だけど、好きだと思った人を喜ばせる力が身についた。家事能力や応援する力、相手のニーズを察する力。
どれも結婚生活や仕事も役立っている。

活字が好きだった話

もうひとつ、大好きだったのが活字。

父は文筆業をしていたので、家の中には活字があふれていた。父の書いたもの、父の部屋に山積みになっている本。

複数社から新聞をとっていたので、私は毎朝ポストから新聞をとってくる係りだった。字が読めるようになった頃から毎日、新聞を読んでいた。

母も、なぜか本が好きな人だった。中学生頃から母はパンチ強めの極端な学問にばかりハマっていた。その度に、分厚い本を何冊も買い込んでいた。母方の祖母も、本が好きだった。毎年誕生日には祖母から絵本が届いた。

ゲームとアニメと漫画を禁止されていた、子ども時代。
私の楽しみは、本だった。

毎日の嫌なことも、大変なことも本に没頭していれば忘れられた。

本で知った知識は、家事にも勉強にも役立った。人間はできないと怒ってくるけど、本は黙って教えてくれる。

塾などには通っていなかったけど、勉強は好きだった。分からないことがあれば、本を読めばいい。つまらない勉強も、合わせて本を読めば面白くなった。

書くのも、大好きだった。
家には、日記や気持ちを書き殴ったノートが何冊もあった記憶がある。

好きな人を支えたくて、本が好きな子どもだった

色んなことがあった、子どもの頃。
好きだったものは、今も好き。
あの頃に頑張ったこと、大好きだったものは、今に確実に残ってる。
幼い自分が身につけてくれた力は今を助けてくれる。その力が育った背景には、今はもう必要のないものもあるかもしれない。身につけた力だけ残して、縛ってくるものは脱ぎ捨てたい。

そうすれば、その力は純粋に助けてくれるものになるから。


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