ボヤはほっとくと大火事

「うっせぇ!ストーカー!」

耳に入ると同時に、あ、これ、今私が言ったのかと気付いた。

事が起きたのは昨日の夕方。

セクハラ相手とのあれこれがあってから私は体調を崩していて、最近は急に手足が冷たくなって意識が遠退くことがあり、昨日はそれが業務時間中である16:30頃に起きた。

17:00から夜当番の仕事(業務時間後に片付けやら何やら事務をする当番)があったので、それまでに収まるように休もうとトイレに向かい、収まったのはギリギリの16:55。急いで職場に戻ると、セクハラの相手が何やら不機嫌な様子で近づいてきて注意をして来た。

内容としては、今年私の隣の席に新しくうちの係に配属になった人がおり、その人にとある仕事を教えろ、というもの。
もっと言うと、私がその場にいたのにも関わらず、私は積極的にその仕事を受けもしない、そしてかつ教えようともしない、結局教えたのはセクハラの相手だというもの。

それに対して「いやいや私、席を外していたのでその件知らないですよ。もちろん隣にいたら教えれることはなんでも教えたいと思っています。」
と返すと、
相手は「いや、いたよ。」
と言う。(こいつ私のこと好きすぎてついに幻覚まで見始めたか。)

いた→いません→いた→いたとしても認識していません→いた

という無駄な堂々巡りが繰り返され、思わず私の口から「うるさい!」という声が飛び出た。同時に涙がボロボロこぼれてきた。

私の声は思っていたより大声だったらしく、即座に課長から呼ばれ、課長と係長により私への事実確認が行われ、次にセクハラの相手への事実確認が行われた。

背中でセクハラの相手の言うことを聞いていると何やら先程の事実についての話ではなく、私の批判をずっとしているようだった。(彼女は仕事に積極的じゃない、仕事をやらない等)

居ても立ってもいられなくなった私は机の中に温めていたこれまでのセクハラ野郎の記録をガッと掴み、事実確認をしているお三方の目の前にズンと立った。そして、「あなたはこれまで脈々とこういったことを繰り返してますよね。私が仕事しないとかそういうことではなく。」と奴の目の前に記録をつきつけた。

奴はそれを見てもなお何かしらの批判をしていたようだったが、私は憤りきっていて、 何を言っているのかよく分からなかった。

ただ、

「うっせぇ!ストーカー!」

と言った声が急に脳の中で響いた。紛れもなく私の声だった。思わず口走っていた。


やばい、と思った時には係長が私と奴の間に入っていた。
係長の顔を見た瞬間冷静になって私は夜当番の仕事に戻った。

それから数分して「今日はもう仕事する気分じゃないですよ!」と言ってセクハラの相手が帰った。(いやいやこっちのセリフだから~。はよ帰れ~。)

その後課長と係長と私ともう一人ずっとそこにいた職員でその日の出来事、これまでの事、これからの事を話した。
課長はやはり、組織だから、係だから、という気持ちがとても強い様子だった。

ふと、先生でもこういう人がいるから、いじめで自殺する子は後を絶たないんだろうなと感じた。

組織の中の、集団の中の、個が、叫び声を上げたのに、ヘルプを求めたのに、体裁を大事にして、どうにかなると思って、気づかないふりをして、時が解決するのを待って。

そしてどうにもならなくなるんだろうなって。思った。

私は全然死にたいなんて思ってないけど、それでも、手足は冷たくなるし、電車には乗れないし、外食も出来ないし、夜中に目が覚める。

生きたい!死にたくない!って思っているうちに、どうか、どうか解決しますように。

追記:最初に思ったまんま。新しい係長はとっても親身。今日その係長に改めて相談をしたけれど、罪悪感でまたちょっと悩む。困らせたくない人を困らせるのは悲しいね。

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