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カムカムエヴリバディ 飽きさせない朝ドラ!でも伏線回収うるさすぎ?

朝ドラを見る習慣のないわたしが珍しく楽しんだ作品。最終回まで見終わった感想です!

※わたしが見始めたのは安子編の終盤。るいに怪我させちゃって雉真家に戻ってきたあたりからなので少し偏った感想ではあります。

※唐突に「踊る大捜査線」の映画のネタバレがあります。


個人的によかったところ2点、そしてよくなかったところ1点です。

テンポよく進む中で訪れる複数のクライマックス

100年の物語というだけあって、割とぽんぽん進んで長い放送期間でも飽きずに見られたのがよかった。

そんなスピード感のある展開の中に、朝ドラらしくない(?)激しく心を揺さぶられるような印象的なシーンがいくつもあってとっても素晴らしかった。わたしが好きなのはこの辺り↓

・進駐軍のクリスマスパーティでの定一さんの歌唱シーン

・お洋服屋さんの試着室で額の傷を見せたるいを受け入れるジョー

・算太のラストダンス

・最終週のクリスマスパーティでのるいの歌唱シーン

他にも竹村夫妻の映画鑑賞とオーバーラップするコンテストとか、自殺しようとするジョーをるいが止めるとか、人によって思い出すシーン色々あると思う。朝ドラってやっぱり日常を描いていくという性質上、一般のドラマよりもクライマックスと言えるような盛り上がるシーンは少なめなんじゃないかなと思うけど、カムカムはそれが違ってた。1日15分の放送時間でこんなシーンたちを作り出せたの、すごい。

オダギリジョー、いい

カムカムで1番好きな登場人物はジョーです!オダギリジョーさんは演技の上手な俳優として世間で評価されているのはもちろん知っていたけど、わたしが今まで何の作品で彼を見たかよくわからない。今回の穏やかな人柄のジョー役を見て、素敵な俳優さんだなとしみじみ。「オダギリジョーって演技うまいね!」と友人に言ったら、「え、そうだよ?」と今更何を当たり前のことを言ってるんだ?というリアクションをされた。(ですよね。)特に地蔵盆で輪投げ豪快に外したり金魚すくいのポイを派手に破ったりしてもニコニコしてるシーンよかったわあ。るいとジョーのカップルが大好きで、個人的にはずっとるい編でもよかった。

他にもカムカムのいいところいっぱいあるけど、ネットでみなさん言ってることだから省略。

で、ここからはよくなかったところ。文句になってしまうので不快に感じる可能性のある方はUターンしてください。。

伏線回収回収、うるさい!

これは主にネットでの感想を見ていて思ったことなんですが。

この作品は、あの時のあれどうなった?って気になる要素がてんこ盛りなので、それに関する話題でネットが賑わっていたように思う。恐らくこれは製作陣の意図したこと。

でもすごく引っかかるのが、それって伏線と言うのかと思うことを伏線と呼んでいること。

伏線て、何かの結論に至った後で振り返ってみると、事前に提示されていた事柄が関連していたりヒントになっていたんだとわかることだと思っていたんだけど、、、。あのときのあれってそんな意味もあったのかと繋がることであって、視聴者は結論に至るまではそれが伏線とは知り得ないはずだと。

だから、例えば算太が行方不明のままひなた編に突入して、「算太がどうなったのかの伏線が回収されていない!」というのはおかしく感じる。それはただの謎であって、その後算太が映画村で現れてもそれは伏線回収ではなくただの物語の本筋であり、単純に謎が解けただけなのでは?「アニーが誰なのかという伏線が最終週で回収された!」とかも違和感。

それと、いかにも意味ありげなことを提示しておいて後からこれはこんなことでしたーと種明かしするのも、伏線というよりただの匂わせなのではないかな、、、。例えばたちばなのおはぎの件など。

全然違う作品の話であれですが「踊る大捜査線」の映画で、序盤で何の脈絡もなく唐突に「子供はバナナが好きなんだよ!」というセリフがあって、終盤に誘拐された子供を探しにバナナ倉庫に行って見つけるっていうトンデモ展開があったけど、カムカム周りの反応を見ているとこれも伏線になってしまうのだろうか、、、

言葉の意味なんて、時代と共に変化していくのだから、多くの人が使っている以上それが正なのかもしれないとは思うけど。でも、ただの謎や匂わせを伏線と呼び、それが解決すると見事な回収ともてはやす風潮が好きになれない。なぜかというと、それで視聴者が盛り上がってくれるのなら、制作陣としてはとにかく色々な匂わせをばらまいておいて終盤までその回答を引っ張っておけばどんなドラマでも話題になると考えて、安易な作品が増えてしまうのでは、、、って考えすぎですかね笑。まず話を作ってそれをパズルみたいに分解して小出しにしていけば売れる作品ができることになってしまうかなーなんて。。

今回も100年の中で色々なことが繋がっていくストーリーは基本的に楽しめたのに、アニーの正体を最終盤まで引っ張るために用意されたつなぎのエピソードはかなり退屈だった。ブンちゃん再登場からの一連の話はつまらなかったし、虚無蔵さんにオーディション受けてと2人が懇願するシーンは唐突で、なんでそんなにオーディション受けてほしいのかよくわからなくて共感できず冷めた目で見てしまった。

安子がどうしてキャスティングディレクターという仕事に就くことになったのか、経歴詐称して言語も封印して日本と縁を切ったはずなのにどうして日本が舞台の映画の仕事を受けたのか、その辺丁寧に描かなかったのも、正体を明かすのを引っ張りたかったからかと穿った見方をしてしまう。たとえ正体がもっと早く分かったとしても、るいとの再会というメインイベントが控えているんだから視聴者は離れないと思うし、再会シーンが素晴らしかっただけに安子おばあちゃんの人物描写が薄かったのは残念に思う。


他によくなかったところは、いちおう外国語を話す身としてはひなたがラジオ英会話と日記だけで英会話習得したかのような描写はおいおいと思ったけど、まあNHKだからしょうがないかと見逃します笑(せめてるいを相手につたないながらも英語で会話練習するシーンとか軽く入れてもよかったと思う)

ああ、文句が長くなってしまった。でもこんな文句言いながらも最後まで見たし、親子の再会シーンでは涙したし、すごくいい朝ドラだったと思う。これを機に次回の朝ドラも見てみるつもりだし、わたしにとっては新しい毎日の楽しみを与えてくれた作品でした。


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