見出し画像

就活がダメだった新卒フリーライター(虚弱)として学生さんの質問に答えました 〜文章を書くとき編〜

6/16(土)、早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系の演習「編集実践」にてゲストトークをさせていただきました。

そのときにいただいた質問に、こちらでお答えしています。
前回のぶんはこちら↓からお読みください!

今回は「出版・編集系の仕事を目指してやっていたこと」「アイデアの考え方」「文章を書くときの制限」「文章力について」についてです。
あまり上手にお答えできていませんが、よろしければどうぞ〜。

餅井の主な仕事についてはこちらをご参照ください↓

【大学生時代、出版・編集系の仕事を目指してやっていたことは?】

在学中はフリーペーパーを作るサークルで、文章を書いたり編集をしたり誌面のデザインをしたりしていました。あとは前の記事にも書きましたが自分でもミニコミを作ったり、ライターや編集の仕事をもらったり、わりといろいろやっていた気がします。

もともと本づくりに興味があったので、DTPに必要なフォトショップ、イラストレーター、インデザイン、ライトルームのアドビ系ソフト+カメラの使い方は勉強していました。
完全に独学で、かつ順序立てて学んでいったわけでもなく、ぶっつけで「このページをこのデザインで仕上げるためには何をしたらいいのか」というのをその都度本やサイトで調べながらやっていくという感じでしたが、実践を通して体で覚えるというのは個人的にはかなりよかったです。何より楽しいので……。

ただ、そういう勉強や準備は比較的取り返しがつくというか、義務感でやるものでもないかな〜とも思います。
DTPソフトの使い方とか、インターンで覚える仕事の流れとか、卒業してから教わることも多いだろうし、それよりは、友達と夜通しお喋りしまくるとか、本を読んだり映画を見たり旅行をしたり、いろいろなものを見聞きしまくるとか、そういう自分の内面に蓄えられることの方が、タイミング的に合っている気がします。

でも勉強も遊びもほかのことも、「やりたい」「やらずにはおれない」ということをジャンジャンやるのが何よりなのではないでしょうか。「やらなきゃ」「やったほうがいいのでは」と思うようなことは、たぶんそのうち嫌でもやらされるので……。

【アイデアはつねに考えているもの? よく考えて生み出すのか、パッと思いつくのか】

これは思考のクセというか、頭が回り出すと自分では制御できず、何かにつけていらんところまで考えすぎるという傾向があり、そういう感じでだいたい何かしら考えているような気がします。スーパーに行くとカゴになんでも入れてしまうので、冷蔵庫がつねにパンパン……みたいな感じです。

文章に書き出すときに、それをどうやって調理すれば一皿いい料理ができるか、いいコースが組めるかということを意識するのですが、冷蔵庫があまりにパンパンだと使いたい材料を取り出しにくかったりするので、一度落ち着いて休息をとったり、中身を整理する時間を取るようにしています。インプットはもちろん必要だけど、インストールとデフラグの時間も自分にはたぶん同じくらい必要です。

逆にインプットが足りていなくて冷蔵庫がスカスカだと「いつも似たような食材で似たような味の料理だな〜」となってしまうので、そういうときは買い出しに行きます。インプットとインストールとアウトプットのバランスが大事なのかなと思いますが、まだうまくできていません……。

実感として一番いいアイデアが出るのは、いい体験(おいしいものを食べたり、いいライブに行ったり、人とたくさんお喋りしたり、おもしろい本を読んだり)をしたときです。
そこから何かを新しくインストールすることもあるのですが、どちらかというとそれまで自分の中にあったものの回路がバチッと繋がる、という感じなので、休息寄りの運動に近いのかもしれません。

どのみち、ずっと頭を回し続けるとオーバーヒートしてしまうので、休んだり遊んだりする時間もちゃんと取らなきゃな〜と思います。

そしてデフラグには銭湯がめちゃめちゃおすすめです! 身一つで外部の情報から隔離される場所って意外とないですし、水面を見ながらぼーっとするのが自分には一番効いています……。

【ライターと小説家の違いは「読者」を意識するかしないか? 「好きなように書く」ことが制限されていると感じることはある?】

うーん、ライターでも小説家でも、仕事として読者を意識しながら文章を書くことには変わりはないし、書いた文章はどんな形でも「商品」だと思います。だから「好きなように書ける」ということはないんじゃないかな……。

たぶん形があるものに置き換えるとわかりやすいのですが、何か建物をつくるときって、めちゃめちゃ制限がかかりますよね。建物の大きさは条件に合っているか、地盤はちゃんとしているか、危ない物質を使っていないか、人が中に入っても安全な設計になっているか、人が快適に利用できる構造か、周囲の建物の日当たりを悪くしていないか、とか。

文章も同じで、文字数制限から始まり、媒体の方針と文章の内容・自分の思想信条が合致しているか、人を害する内容になっていないか、事故を起こす要素は含まれていないか、読みやすい文章になっているか、この文章を世に出すことで不利益を被る人はいないか、とか、目に見えにくいだけで、気にかけないといけない部分がたくさんあります。

それが仕事でなければ、山に秘密基地を建てたり雪でかまくらを作ったりするみたいな、同人誌やサイトを作って仲間内でやり取りするような、もっと自由度が高い活動になるのだと思います。
どんな活動でも、制限があるかないか、あるいは多いか少ないかという点でプロとアマチュアの間には違いが生じていて(どっちが上とか下とかではなく)、その制限の中で仕事をする人たちの間にはそれほど質的な差がない、というような気がしますが、いかがでしょうか……?

【どのようにして文章を書く力を身につけた?】

この質問は死ぬほど難しく、5時間ほど頭を抱えたのですがやはり難しいため、餅井の推し本とwebページを添えて回答に代えさせていただきます……!!
良い文章を書きたい人には保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』、おもしろい文章を書きたい人には三浦しをん氏の「小説を書くためのプチアドバイス」、分かりやすい文章を書きたい人には『新しい文章の教室』、読みやすい文章を書きたい人には京極夏彦氏のイベントレポートがおすすめです!

ーーーーーーーーーーー

今回の回答は以上です〜。が、まだ続きます!
文章を書くときに考えていることなど、もう少し質問いただいていたので、引き続きお答えしますね。もうしばしお待ちを……!

餅井が明るく平和・健康的な暮らしをしつつ、よりよい文章をよりよいペースで書いていくために使わせていただきます。