mochi

青森県八戸市出身。東京学芸大学大学院修了(修士)。都内の私立小学校教諭。 専門は国語、…

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青森県八戸市出身。東京学芸大学大学院修了(修士)。都内の私立小学校教諭。 専門は国語、演劇教育。

最近の記事

A PERFECT DAY

日曜日の朝にしては早い時間に家を出て、駅に向かって自転車を走らせる。日曜日の朝だけは自分一人だけのものとしたいと考えているのだが、それさえも手放さなければならないほどにスケジュールは過密を極めている。憂鬱な朝? いやいや、そんなこともない。頭の中ではFLIPPER'S GUITARの「Friends Again〜フレンズ・アゲイン〜」が自然と流れて、何ならご機嫌である。それはひとえに、この空の青さゆえ。 近所の果樹園に差し掛かったところで、グレーのロングコートを着た一人の女

    • サウナおじさん

      湾沿いの工事現場の合間を縫うように敷かれた架設の歩道をひた歩く。通行人もまばら。たまにwoltのバッグを背負った自転車乗りが凍りついた道路をものともせずに軽快に走り抜けていく。スマートフォンが無ければ、Google Mapsが無ければ、電波が無ければ―きっと僕らはどこかしらのタイミングで引き返すことに決めただろう。ただ、これらが指針を指し示し、そこに僕らの青い点が向かい続ける限りは諦めずに済む。初めての道を、信頼をもとに歩いて行く。前を向いているのか、後ろを向いているのかでさ

      • 「冒険」と「信頼」

        施設のあちこちに暖房が行き届いている地域に比べて、東京で感じる寒さには堪えるものがある。「青森の出身だから寒いのは平気でしょう?」という質問は、これまでもこれからも続いてくことだろうが、寒さには質感の違いがあることは広く知られるべきだろう。メディアで報じられている気温に比べて、東京で感じる寒さは辛い。今時分、教室に居残って作業をしていると、帰る頃にはすっかり底冷えを起こしている。 ただ、フィンランドの寒さはたしかに厳しい。わずか8日間ほどの滞在であっても、この地の冬の過酷さ

      A PERFECT DAY