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営業は【断り力】で顧客に成功を。

こんにちは。株式会社ベーシックThe_mochidaです。
ferret OneというBtoBマーケ専用SaaSに携わっています。

今回は、営業の資質として最重要なのではないか、と個人的に思っていることを書きます。

自分の営業活動により顧客は幸せになっているのか悩んでいる
達成して社内では評価されるけど顧客のためになっていないと感じている
営業を通じて顧客から感謝されたことがない

こんな悩みがある人に読んでいただけたら嬉しいです。
初めに伝えておくと、このnoteは「SaaSの営業は理想だよ」という結論で終わります。

営業としてのもやもや感

僕は2008年に社会人デビューして以来営業畑にいますが、経験を重ねるごとに心の中の「もやもや」が変化していきました。

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若手の頃は、とにかくなにがなんでも自分が達成することが最優先でした。
同期の数字に目を光らせ抜かれたら抜き返し、クロージングできそうな顧客を漁り、ここぞという場面で部長を連れて行く。目標は毎月達成できていて表彰されるのも常連でした。

しかし、途中でふと疑問に思い始めます。
目標を達成していても、顧客の期待に応えられていなければ、それってなんのためにやっているんだっけ?努力の方向性が自分の目標に対してだけで、顧客への提供内容には労力を割いていない。言ってしまえば売りっぱなし。それって本当にやっている意味あるんだっけ?という疑問です。当時25歳くらいだったと思います。(現在35歳)余談ですが、若手の頃の同期に会うと、いまだに売りっぱなし営業と罵られます。それくらい当時の僕を象徴する単語でした。(今はちゃんとしてるつもりです)

でも営業は受注してナンボだし、でも受注しても顧客が幸せにならないし、でも受注しなきゃ、でも意味ないな、という堂々巡りをずっと繰り返しながらもやもやしつつ達成し続けていましたが、SaaSビジネスに携わることによって必然的に顧客に向き合う時間が増えました。

※なぜSaaSだと顧客に向き合う時間が増えるのか?という疑問を持たれた方はこちらのnoteをご覧ください。

営業活動の種類

僕の経験してきた営業活動は大きく4種類です。

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商材は全て無形です。現場に出ていない時期も含んでいますが、営業スタイルとしては上記のように概ね経験してきました。
この中で、一番精神的に苦しかったのは右下の24-29才です。
売れなくて苦しい、ではなく、はちゃめちゃに達成しているんだけど苦しいのです。6年間のうちほとんどの月で達成していました。

結局営業の人は、インバウンドだろうがアウトバウンドだろうが、対面だろうが非対面だろうが、突き詰めて行くと顧客の役に立つことができない状態が続くと苦しいんだなと改めて思います。

そして続きすぎると、もはや苦しいとさえ思わなくなる感覚麻痺を起こすようになります。

理想のセールスとは

タイトルにもある通り、断れるセールスが理想だと思っています。顧客側から導入したいと言われても、自分たちのサービスが役に立てそうになければ断ることができるセールスです。

僕はSaaSビジネスに携わり始めてから、断ることに躊躇しなくなりました。
なぜならビジネスモデル上、なんでもかんでも受注すればよいというものではないからです。もちろん、目の前の目標達成が大事だということは共通するのですが、SaaSビジネスではそれよりも顧客がサービスに価値を感じ継続し続けるということが最も重要だからです。導入後しっかり効果が出て、なくてはならないものになり、満を辞して継続してもらうことが理想です。

1.顧客が求めていることを実現できない
2.顧客側の運用体制が整っていない
3.ツールのことを、導入すれば必ず成果がでる「魔法の杖」だと思っている
4.サービス思想を理解してもらえない

大体上記のシーンで受注した顧客は、CS(カスタマーサクセス部門)がどんなに頑張っても継続してもらえないことが多いです。そのため顧客から導入したいと言われても、上記にあてはまる場合は、しっかりお断りするようにしています。肌感でいうと2の運用体制が整っていないケースが多い気がしています。

営業プロセス上、受注後の顧客フォローはCSに引き継がれる企業がほとんどだと思います。そのため、事業運営上大事な継続率UPに営業が貢献できるポイントは限られています。受注前に導入後の運用体制までしっかりヒアリング/提案することで、顧客の成功確率を高めることができ、結果として継続率UPに貢献できると考えています。

まとめると、SaaS企業である以上継続率が大事であり、継続してもらうには顧客の満足度が高い状態を維持する必要があります。満足度が高い状態を顧客が成功している状態とした場合、自社のサービスを導入して顧客が成功できそうか判断するのがセールスだということです。成功しないと判断した場合、躊躇なく断ります。事業を成長させる上で顧客の成功が何より重要というビジネスモデルだからこそ、今のタイミングで受注してはいけない顧客、というものが存在するからです。

断った方が信頼度が上がる

余談ですが、過去何社もお断りしてきましたが、お断りした企業はその後声をかけてくれる確率が異常に高いです。営業側から断られた経験がないからびっくりするんだと思います笑

ようやく体制が整ったから導入したい
戦略見直したから再度ディスカッションしたい

こういう呼ばれ方をされると純粋に嬉しいですし、満を辞して導入していただいた顧客が高い成果を出しているのを見ると「1度目のタイミングで受注しなくてよかったなぁ」と思います。

営業が自身の売上のみを追い求めるではなく、売上と顧客満足を両方追い求めることができます。
「2兎を追うもの2兎とも得る」を実現でき、営業が抱えるもやもやを解消できます。

もちろん、日々悩むことはあるし課題もたくさんあります。時には今のサポート内容では応えきれない顧客を受注することももちろんあります。しかしそんな時は、僕たち側の仕組みを改善しながら顧客の成功をサポートします。日々精進あるのみです。

SaaSの営業は理想の営業ができる(しやすい)と思います。

最後に

以前お断りした顧客から「運用体制を整えたから導入したい」と再度声をかけてもらい、満を辞して導入してもらいました。運用開始からちょうど1年くらい経ちますが、全顧客の中でも活用レベルが上位に食い込んでいるのを見て、嬉しくなったので書きました。

「目標達成」と「顧客の成功」の間で揺れる営業パーソンは多いのではないでしょうか。自分の理想を貫こうとして未達になったら元も子もないし。なんなら、未達の営業マンの言葉は軽んじられる。未達の人が「顧客の成功が〜」とかいっても相手にされないですし。顧客の成功を本当に願って、組織のあり方も変えたいのならまずは自分の実力をつけること。達成常連になること。その上で、顧客のことを考えて組織に提案をする。悲しいかな、これが現実です。

実力をつける→影響力/発言権を持つ→組織へ提案する
この流れです。

お断りをする顧客がいたとしても目標を達成する。これが守られないと絵に描いた餅になるので注意です。お断りをする顧客がいても達成できるくらいのヨミがいくつもないといけません。そのためには結局、自分の実力をつけること。一緒に日々精進しましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
ferret Oneの営業チームや、持田自身、もしくはferret One自体に興味を持っていただいた方、ぜひディスカッションしましょう!(テーマは何でも可)

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