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水浸し戦争

洗濯機が回っている。

既に1回、回し終え、明日は台風1号が来るので、浴室に干し終えた。そして、2回目が今回っている。なんなら、3回目、4回目も寝て起きたら控えている。

洗濯機の回る音が聞こえてくる。少し多く入れすぎたせいか、振動と音が大きい。これで、洗濯機まで壊れたら、厄払いに行くレベルである。本当に勘弁してほしい。

どうしてこうなった?

答えは、部屋が水浸しになったからである。風呂場を制圧した水たちは、その勢いのまま廊下にまで広がり、気づけば僕の家は水たちに制圧されていた。

こうなると、やけくそである。とりあえず、全裸、スッポンポンなった。そして、着ていた服を水に制圧された廊下にビシッ!と投げつける。廊下を制圧していた水たちから、廊下を取り戻すんだ。まるで、ハリウッド映画の主人公になった気分である。

しかし、水たちは強い。投げつけた服たちをも取り込んで、エリア制圧してくる。こうなれば、風呂場に溜めている脱ぎ捨てた服の山で勝負だ!そう思い、風呂場のドアを開けると、そこには水たちに制圧された我が同胞の亡骸が。。。くそ、こいつら先手を打ってやがったのか!そんな僕の目に飛び込んできたのは、屍の山に立ち、生き残った我が同胞たち。歓喜のあまり、抱きつきそうになったが、そんな暇はない。奴らを早急に駆逐する必要がある。右胸に手を当て、僕は生き残った同胞たちを手に持ち、廊下に出る。そして、また奴らに投げつける。負けるわけにはいかない。これは、水と僕の戦、戦争なんだから。支配権をかけた戦いなのである。

そんなこんなで、死闘を繰り広げ、勝利を掴んだ僕の目に飛び込んできたのは、前日の2倍に膨れ上がった服の山であった。

まあ、そうだよね。クローゼットからも応援頼んだし。

そうして、賢者タイムに突入した僕は、洗濯機の回る音を聞きながら、眠い目を擦って、これを書いているのである。

明日の朝、服回すの忘れないようにしないとな。

てか、早起きしよ。

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