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寝てもさめても、湯のトリコ

洒落たカフェでラテを嗜みながらの綴りタイム。

目の前にはカレー屋さんとステーキ屋さんの店の灯りが

こちらへ、いやこちらへと言わんばかりに

煌々と輝いている。

店員の女の子たちはかなりプラベートな話を

店内に響き渡る声のボリュームできゃっきゃうふふと話している。

店内の壁のアートは好みだが、再訪はないだろう。

そんなカフェの片隅で今日は

私がこの冬何度も訪れたある場所について書きたい。



何を隠そう、湯っていいよね。

27歳で初めて銭湯の良さに気づいてしまった私は

銭湯のことを「湯」と呼ばせていただいている。


自宅は狭くて小さなユニットバスで

とても寛げるようなバスルームではない。

もともと小さい頃から湯船に浸かる事は好きではなかった。

熱いし胸が苦しくなるのですぐにあがりたくなる。

幼少期のその記憶をずっと引きずっていて

大人になってからも銭湯や温泉にあまり興味がなかった。

近頃サウナもブームのようだけど

あんなあちあち部屋に閉じこもって汗を流すなんて

一種の拷問ではないか。(言い過ぎ)

そんな私だったが、ある人に誘われ

とても久しぶりに湯に浸かることになった。

年をとると体質って変わるんだね。

あたたかい湯に身体を預けるその行為は

あまりに気持ちがよく

頭がぽやぽや、ふわふわした。

疲れ切った私の身体に言うのだ。

君は本当にがんばったね、って、湯が。

何を言っているか分からないと思うが

とにかく今日一日を生き抜いた私を

褒め称えてくれる

甘やかしてくれる

えらいね、すごいね、おつかれさまって

包み込んでくれる。

そんなふうに思わせてくれる存在は

きっとみんなそれぞれ違うんだ。

一緒に暮らす生き物や好きな人

新発売のコンビニスイーツ

ちょっと贅沢な美容液

それぞれ今日を頑張った自分にほんの一匙の癒やしをくれる。

わたしにとっての「それ」は

最近はもっぱら湯なのである。


#寒い日のおすすめ

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