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古典ハリウッド映画

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2021年7月の記事一覧

『街の灯』

監督:チャールズ・チャップリン

ああそういうオチかぁ。ちょっと違うのを期待してしまった。

チャップリンがブ男ということを前提にして、顔でなく心で人を評価できるのか、というメッセージなのだろうか。「見えるようになりましたか」問う台詞もこの流れを汲んでいるように感じる。女の人がそのあとどうするのかはわからないが。

個人的には、チャップリンが自分の正体を明かさずに立ち去るエンドを期待してしまってい

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『条理ある疑いの彼方に』

監督:フリッツ・ラング

微妙だな。これで期末レポート書こうと思ってたけどやめようかな。
まず話自体に推進力を感じない。彼ら二人が作った証拠はもう序盤で描かれているんだから、そこを法廷で掘り下げられても退屈なだけだし、くどい。だったら法廷シーンを先に持ってきてフラッシュバック形式にした方がまだいい。あと流石にスペンサーの死亡は笑った。そんな都合よく都合悪いこと起きないでしょ。話を進めるためなのは分

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『幻の女』

監督:ロバート・シオドマク

顔が覚えられなくて、いくつか大前提を理解しそびれていた。まず「幻の女」と秘書が最初同一人物だと思っていた。二つめ、その秘書が小男についていくシーンは完全に別の女の人だと思っていた。三つめ、マーロウが真犯人なのか分からなかった。全部こっちの問題だけど、おかげでマーロウが本当に犯人なのかどうかというサスペンスを自ら生み出して勝手にハラハラしていた。
バーのおっさんを尾行す

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『ハウス・バイ・ザ・リバー』

監督:フリッツ・ラング

撮影90点、脚本60点という感じ。悪くはないけど、加害者目線のサスペンスなら、『飾窓の女』の方がいい。
脚本は、ちょっと一辺倒かなあ。主人公がやばいやつというのはもう最初にわかっているんだから、さらに狂気性を強調するか、あるいは弟との立場が逆転するとかして欲しかった。ただ、冒頭の描写がいい。主人公が執筆する様子をいやに長い時間じっくり捉える。階段の下からエミリーに気づいて

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