『ハウス・バイ・ザ・リバー』

監督:フリッツ・ラング

撮影90点、脚本60点という感じ。悪くはないけど、加害者目線のサスペンスなら、『飾窓の女』の方がいい。
脚本は、ちょっと一辺倒かなあ。主人公がやばいやつというのはもう最初にわかっているんだから、さらに狂気性を強調するか、あるいは弟との立場が逆転するとかして欲しかった。ただ、冒頭の描写がいい。主人公が執筆する様子をいやに長い時間じっくり捉える。階段の下からエミリーに気づいても、話しかけず、気配を消す。こういうところだけ映画全体とリズムが違っていて、主人公の「嫌な感じ」が伝わる。
撮影は影をうまく使っていて良かった。豪邸内のシーンはほぼ真っ暗なんだけど、ライティングが的確だからか、要所はしっかりと映っていて、いいコントラストになっている。カーテンが靡くところの恐怖感もすごい。川のシーンも不気味で良い。

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