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古典ハリウッド映画

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2021年6月の記事一覧

『外套と短剣』

監督:フリッツ・ラング

まあ普通の映画。ラングは戦争ものより平時のノワールものの方がノレる。
前座だと思っていた展開が本編だった。ゲイリー・クーパーが博士としてドイツに潜入していろいろやるのかと思っていたので、中盤からのメロドラマチックな展開には驚いた。しかしこの件がダレてダレてしょうがない。メロドラマは割と鑑賞時のコンディションに左右されることが多い。今日は最悪だった。
格闘シーンとラストの飛

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『ビッグヒート/復讐は俺に任せろ』

監督:フリッツ・ラング

これは面白かった!中盤は物語の終着点が見えなくなってきて、どうなるのだろうと思っていたのだけど、ラストの独白が素晴らしい。中盤とのデビーとの対話では言うことができなかった、亡き妻への想いを訥々と語る主人公の姿を見て、彼の物語は終わったのだな、と感じた。それを受け止めるデビーの顔も、火傷していない横顔ショットで捉えられていて、美しかった。今であれば、妻を亡くした男の心理描写

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『恐怖省』

監督:フリッツ・ラング

難しかった。全然物語の全貌が掴めない。ケーキ?ほうほう、降霊会⁉︎、ナチ?ほうほう、ラスト⁉︎のような。ダン・デュリエは相変わらず。レイ・ミランドがジェームズ・スチュワートにしか見えない。ケイリー・グラントもこんな感じ。ラストの電気が消えるところがいい。一気に形勢が逆転する感じ。そして電気が付いて引きの画で彼が登場‥カッコいい。そのあとは唐突すぎて驚き。謎のケーキ推し。

『拳銃魔』

監督:ジョセフ・H・ルイス

面白かった。前半の回想シーンで大体この男の人となりが明かされる構成だけど、それが後半までしっかり効いてくるそつのないつくり。座っていた男の子三人組を映していたあと、バートが立ち上がって手だけ映るショットが好き。
二人が出会うシーンが一番好きかな。バートの異常なほどの銃捌きが観ていて楽しい。二人の視線の交わし合いがなんかエロかったな。バートのニヤつきはサイコパスっぽい。

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