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VTuberを「辞める」ということ

こんにちは、コピーライター兼VTuberプロデューサーの餅田めぐです。

5月も終わろうとしています。
春は始まりの季節と言いますが、近頃は私のところにデビューに関する相談に来られるVTuberさんも軒並み増えました。

そして同じくこの時期に多いのが、VTuberさんの引退

有名な方では、にじさんじの童田明治さんが4月末をもって卒業され、メリッサ・キンレンカさんも5月末に卒業することを発表しています。

始まりがあれば終わりもある、ということで一つの節目を迎えるVTuberは少なくありません。

引退という言葉だけでなく、「卒業」「無期限休止」「活動終了」といった単語もよく見かけますね。

リスナーさんからしたら見るのも嫌になってしまうようなワードだと思います。

ただ、終活が「人生をより良く生きること」につながるように、VTuberの引退について思いを巡らせることは、「リスナーが後悔のない推し活を行い、それによってVTuberの活動もより充実したものとなる」ということにつながるのではないかと考えています。

そういうわけで、今回は「VTuberさんの引退」について分析していこうと思います。
よろしければお付き合いください。

なぜVTuberを辞めるのか

VTuberの引退について分析するにあたり、まずはVTuberを辞める理由を考えていきます。

人によっても様々ですが、主には次のようなものが挙げられます。

①活動に飽きた、自分には合わなかった
②チャンネルが伸び悩んだ
④周囲の環境やライフステージの変化(就職、結婚など)
⑤企業VTuberとしての転生が決まった

これらのうちの複数が当てはまる場合もあるでしょう。

これらを大きく分けてラベリングするなら、①と②は「モチベーションの低下」、③と④は「外部環境の変化」と捉えることができます。

④は少し特殊で、「契約上の理由で元の身体で存在できなくなる」といえば外部環境になりますが、チャンネルの停滞などがそもそもの転生・企業所属願望の裏に隠れているという可能性もありますね。

リスナーが「辞める理由」を潰すことはできるのか

それでは、これらの理由に対して、リスナーの応援などによってVTuberの引退を回避することはできるのでしょうか?

上記のどの理由であっても、「部分的にそうであり、部分的にそうではない」と言えます。

釈然としないかもしれませんが、これ以上に何かを言い切るということはできません。
VTuberさんによっても事情や心理的なキャパシティは異なるからです。

いくら応援があっても、VTuberさん自身の気持ちがもたない場合はやむなく活動終了となりますし、その逆もあります。

例えば、のっぴきならない外部環境の変化であっても、リスナーの応援が届けば「月1回配信」「不定期投稿」など、何らかの形で活動を続けられないかと模索するVTuberさんもいることでしょう。
(とはいえ、どうやっても活動を続けていくことが困難な場合ももちろんあります。決断を責めたり、要求を押し付けたりすることがあってはいけません)

ただ、VTuberさんの決断に影響を及ぼすかは別として、応援が力になることは言うまでもありません。

そしてそれはVTuberさんのためだけでなく、「いつか来るその日(=推しが引退する日)」を迎えるための、リスナー自身のための推し活ともなるのです。

どんなコンテンツも「いつかは終わる」

そもそもですが、卒業・引退しないVTuberというのは存在するのでしょうか。

「○○ちゃんは引退しない!」と反論したくなる気持ちもわかりますが、まだVTuber自体のコンテンツがまだ歴史が浅いため先行きは不透明ですし、もっと言うと中の人の寿命がある以上永遠に存在することは難しいです。

面白いエンタメが人々の心の中で生き続けることは間違いありませんが、いわゆる「一次創作物」としての更新はいつか終わりを迎えます。

どんなVTuberさんを推していたとしても、この問題からは無縁ではいられないのです。

目を背けたくなる気持ちも十二分にわかりますが、「いつか終わるもの」と認識していれば、引退のショックを少しでも和らげることができるかもしれません。

「後悔のない推し活」とは何か

それでは、肝心の「後悔の残らない推し活」とは一体どんなものなのでしょうか。

いきなりピンポイントで考えるのは難しいので、裏返して「後悔の残る推し活」は何か?というところからまず考えていきます。

VTuberさんが引退の発表をした際のSNSでの反応は、以下のようなものが主でしょう。

・もっとコメント・リプライをしておけばよかった
・もっとスパチャしておけばよかった
・もっと推しを宣伝しておけばよかった
ライブに行っておけばよかった
グッズを買っておけばよかった

こうやって挙げてみてわかる通り、後悔するのはいずれも一般的な推し活の内容を何らかの理由で自発的にセーブした(怠った)・あるいは断念したということ。

そうした後悔を(全てでなくとも)ある程度潰すことができるとしたら、次の2本柱を推し活の中で意識することでしょうか。

①迷ったら「やる」
②時間的・金銭的な余裕を作っておく

①迷ったら「やる」

コメントやリプライは交流できるだけでなく、「見ているよ」「気にかけているよ」の意思表示となり、VTuberさんのモチベーションを上げることにつながります。

RTや引用RTも含めてコストはかからないですし、「コメントして損した」「RTして損した」という話も聞いたことがありません。

推し活の中では最も気軽にできるものですし、「どうしようかな」と思うくらいなら行動してしまった方がメリットが大きいです。

②時間的・金銭的な余裕を作っておく

時間と金銭面を両立するのは一般的には難しいことではありますが、推し活に常に全力でありたいのであれば、どちらかは確保しておきたいですね。

たとえば「比較的休みを取りやすい職場・働き方で働く」というのは、イベント開催・出演するようなチャンネル規模のVTuberさんを推す場合は特に有効です。

金銭面は「そりゃ給料を上げられたら苦労はしないよ」と思うかもしれませんが、高給取りでなかったとしても、自分の嗜好品や無駄遣いを少し我慢するだけである程度貯金はできます。

とはいえ、自分の生活や気持ち的余裕も推し活にとっては大事なので、そこは上手くバランスをとっていけたらいいですね。

普段から「愛されるリスナー」でいる

最後に、ここまでとはちょっと違うお話を一つだけ。

VTuberさんにとっては、「どういうリスナーがチャンネルに来ているか」もモチベーションに非常に大きな影響があります。

(リスナー自身は冗談のつもりでも)過度ないじりパーソナルスペースに踏み込んでくるようなコメントをするリスナーと、ヒト対ヒトの距離感をわきまえ、自分のことを心から気遣うリスナー。

どちらが多いチャンネルが長続きするかは、言わなくてもわかると思います。

・常に推しを尊重し、ポジティブでいられるような言葉選びをできているか
・「推しのため」と言いながら、自分のエゴをぶつけてはいないか

この辺りは常に送信前に確認しながら推し活していきたいところです。

推しと良好な関係を築くことができれば、結果として推しの活動が長続きすることにつながります。

チャンネル規模の大きいVTuberさんであったとしても、想像以上にあなたのことを見ています

あなたの何気ない一言が、彼・彼女を救うかもしれません。


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