見出し画像

「わかりましたか?」について

教師の皆さん、授業中に学生に向かって、「わかりましたか?」と言うことがありますか。

私は使っています。

なぜなら技能実習生には仕事中にわからないことがあった時、わからないと意思表示が出来るようになってほしいからです。

ですから、日本語教師の養成講座の講師や日本語学校で教務主任から、授業中に「わかりましたか?」と学生に確認してはいけないと言われるのとは少し事情が異なっています。
(以前私は日本語教師養成講座で講師や日本語学校で教務主任をしていました)

なぜわからない時、わからないと意思表示できるようになってほしいのかと言いますと、

  • 技能実習生がわからない時、何も言わないと、仕事が進まなくなってしまう。

  • 仕事が進まなかったら、上長は原因を探し、再度指示をしなおさなければならない。

  • 現場でこのようなことを繰り返すと時間がかかる。

  • 最悪の場合は、事故につながる可能性がある。

ですから、日ごろからわからないと意思表示できるようになってほしいと思っています。

これは配属先企業側の要望でもあります。

では、わからないと意思表示できるようになるための当センターでの取り組みですが、

  • 授業の中でわからない時はわからないと言ってもいいと教師が伝える。

 ➡わからないと言える雰囲気作りが大切です。

  • 授業の中で「わかりましたか?」と聞き、YESかNOかで返事をしてもらう。

  ➡何度も繰り返すことで習慣にします。でも、わからないと何度も言われると教師は凹みますね。

自分からわからないと意思表示できることが最終目標なので、こちらからの問いかけは多すぎないほうがいいとも思っています。

  • わからない時に使うフレーズを教える。

  ➡例えば、「すみません。もう一度お願いします。」「それは○○○という意味ですか。」などいろいろな言い方があると思います。

このように技能実習生にはわからない時はわからないと意思表示ができるように練習をしますが、このような練習で仕事の現場でしっかり意思表示が出来るでしょうか。

問題点を下に挙げてみます。

  • 教室(集団)の中で「わからない」とは言いにくい。

  ➡仕事では一対一の場面も多いはずです。

  • 勉強でのわからないことと仕事でのわからないことは別物。

  ➡研修センターの教室で職場は再現できません。

  • 実習生の職種も様々。

  ➡個別の対応は難しいです。


研修センターではわからないと意思表示ができるところまでは練習できますが、限界があります。
その限界もきちんと意識して授業を行う必要があると思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?