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宿題について(雑感)

技能実習生に日本語が上手になってほしいと、研修センターの職員ならだれでも思っていると思います。
上手になるために授業以外の時間も勉強すればきっと上手なるはず。でも現状は・・・

そのような時に宿題をたくさん出そうかどうか迷います。
同時に、教師に強制されて勉強するのはどうなんだろうとか、そもそも宿題は必要かどうかという疑問も頭に浮かんできます。

私は自分で計画を立てて勉強したいタイプなので教師に宿題を出されるのはいやでした。

いろいろな考え方があると思いますが、宿題が必要かどうかは、よく話題になるテーマです。
ですが、けっきょくはどうすればいいのか結論が出ていないテーマでもあると思います。

その宿題について考えていたとき、以下のブログを読んで、大変参考になりました。

宿題に効果はある?

宿題に効果はあるの?ないの? 研究結果を簡単にまとめると…

以下、引用:
「簡単に言えば、宿題の効果は年齢が上がるにつれて(=学習能力が高まるにつれて)高まり、宿題の性質がタスク志向で単純なものほど効果が高い、ということだ。これは、深い学習になればなるほど教師からの適切なフィードバックが重要になるからだろう。逆に言うと、暗記・練習・繰り返しを主眼とした「浅い」宿題であれば、高校生くらいになれば効果が高いのである。」

ここから考えると、技能実習生のような成人の学習者には単語の暗記や音読、漢字の練習などの宿題を出したら効果がありそうです。

技能実習生はどんな人?

ここからは、技能実習生について少し考えてみます。
技能実習生の一般的特徴は以下の通りです。
(といっても職種により傾向が違っているので、建築関係に絞って私の印象を以下に記します)
・勉強があまり好きではない。
・今まであまり勉強してこなかった。
・勉強の仕方がわからない。
・日本語の勉強にあまり意義を感じていない。
・体力があれば何とかなると思っている。
・先輩の日本語出来なくてもいいよというアドバイスを信じたい。

ざっとこんな感じです。
もちろん意欲の高い実習生もたくさんいます。
また集まる実習生によって勉強に対する態度が異なり、ほとんどの実習生が自主的に夜勉強するということもありました。

センターの宿題

今までの当センターの宿題は日記を書くことでした。

日記を書くことのメリットは、
・各自が自分のレベルに合せて書くことができる。
・書きたくないことは書かなくてもいい。
・上手になりたい人はたくさん書ける。

反対にデメリットは、
・他人の文章を写す人がいる。
・内容が毎日同じ人がいる。
・書かない人がいる。

長さについて規定はなく、あまりにも少ない場合は、こちらから日記の内容に合わせて、「昨日は何を食べましたか。」「晩御飯はどうでしたか。」などの答えやすい質問を書いていました。
それに答える人は答えるし、書かない人もいました。
社会人なので、自分の日本語の上達には自分で責任を持つべきだと思いますが、多くの技能実習生と関わってきた中で、日本語を学ぶ意義を(うっすらとでも)感じてはいても、行動が伴わない人が一定数いることは否めません。

理想の状態とは?

宿題があってもなくても、自ら進んで勉強してくれる状態が理想です。
そのような状態に持っていけるような工夫が必要だと思います。

そのために必要だと思うことは、
・実習生が自ら学習したくなる雰囲気を職員が作る。
・実習生が共に励ましあう人を見つける機会を作る。
・実習生に自習の意義を理解してもらう。
・実習生が日本語学習の目標を持つ。(実際にはそれぞれ(なんとなくでも)目標は持っています)

実際に上のような簡単な宿題を出してみたり、職員側からの働きかけをきっかけに勉強をしていく雰囲気作りができればいいのかなと思います。

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