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一番好きな本についた嫌な記憶

私が今まで読んだ中で一番好きな本、瀬尾まいこさんの『卵の緒』。
とってもあたたかくて、食卓の描写が素敵な小説。
だけど、最近は全然読み返さなくなってしまった。

うつ状態で小説を読むのが大変というのもあるけれど、それ以上に、この本のことを思い出すと嫌な気持ちになってしまうのだ。

4年くらい前に別れた元彼氏の存在。
今でも憎んでいる。
その元彼氏と仲良くなったきっかけが読書だった。
ネット恋愛で、初めて会う時に、私の一番好きな『卵の緒』をお互い持ってそれを目印にしよう、ということになったのだ。
本当に小説にでも出てきそうな出会いをしたことは、今ではつらい思い出になってしまった。

だから瀬尾まいこさんの『卵の緒』は、大好きなのに本の存在を考えるだけで胸が痛くなるものになった。

元彼氏とは嫌な別れかたをしたし、付き合っていた時に受けた傷はあまりに大きくて全然治る気配がない。
あと10年くらい経ったら思い出さなくなるのかな。
早く憎しみから解放されたい。
だけどやっぱり『卵の緒』の表紙を見るたびに思い出してしまうのかな。

でも、この本は手元に置いておきたい。
本当に好きな本だから。

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