猫と鼻血
フリスコを預かってから1年くらいは週の半分は病院通いだった。
嘔吐や下痢、食欲不振が主な症状で何を試してもなかなか改善されなかった。
ある日フリスコがくしゃみをする姿を見た。
猫も人間のようにくしゃみをするのかと、のんびり観察していた。
それから数日後の朝、フローリング掃除をしているとフリスコがバルコニーから室内へ戻って来て、私の隣でくしゃみをした。
掃除用の白いバケツに赤い液体が飛んだ。
私は驚いてフリスコを見ると、顔まわりが血で赤くなっていた。
私はパニックで夫に電話したが、「フリスコがー😱フリスコがー😱血がたくさん😱」としか言えなかった。
フリスコを病院に連れて行こうと、ケージを取りに他の部屋に行くと、あらゆる所に血が飛んでいた。それはバルコニーから続いていた。
それを見て、私はパニックを通り越して、ただ呆然と立っていた。
義父が飛んで来てくれ診察し、注射を打ってくれた。義父が獣医で本当に助かった。
フリスコは私の動揺ぶりを見て怖くなってしまったのだろう。
その日は何も食べなかった。
自分が情けなくて悲しかった。
3日前にくしゃみに気付いていたのに。
もっと早くに病院に連れて行ってれば。
こんなにパニック姿でフリスコを不安にさせてしまった。
自分以外の命に責任をもつことの重みを感じた出来事だった。