わかば

伊東に行く度に絶対に立ち寄る店がいくつかある。
その内の1つがスイートハウスわかばだ。

この店のスイーツとピザトースト(個人的にはポテトピザトーストとエッグピザトースト)が物凄く好きだ。

季節ごとに変わる、季節のサンデー(たまにパフェも)がある。
無類のモンブラン好きとして、この店の秋のサンデー、
マロンサンデーは是非食べたいと思い
凄く楽しみに9月にこの店を訪れた。

残念ながら9月はまだ夏の桃サンデーで
マロンのサンデーは10月からスタートと告げられた。






どんぐりを出た後、
予定では熱海峠まで移動してから
伊豆スカイラインを走り
伊豆高原ビールで海鮮丼を食し
わかばで締めサンデーを食すつもりだった。

しかし自宅からの出発時及び
東京〜静岡間の電車での
度重なるトラブルによって
予定よりかなり時間が押してしまったので
伊豆スカイラインは断念。

一先ず伊豆高原ビールに向かうも
ラストオーダーに間に合いそうにないので
こちらも断念。


本当は急げばギリギリ間に合うかも知れない時間帯だったんだけど
急がされてる感じが、せっかくバイクで愉快に旅行してるのに
その愉快さ、自由な気持ちをぶち壊してしまうと判断して
伊豆高原ビールは諦めた。

その判断が功を奏し、急がされる事によって気分が害される事は無かった。
しかし結局「あー、伊豆高原ビールの海鮮丼食べたかったなぁ」とか
「どうせ海鮮丼食えないなら夢の中へでスパゲティ普通盛り食べれば良かったなぁ」とか
そんな気分で、楽しい気持ちが少し盛り下がってしまう結果となった。


気持ちの切り替えが上手に出来ないのは
本当に損だ。




そんなこんなで
どんぐりから、スイートハウスわかばに直行する事に。

海鮮丼は翌日の昼間に食べれば良い!と自分に言い聞かせながらのバイクの運転。
やっぱりバイクは気持ちが良くて
どんどん楽しい気持ちになっていった。
スピードを出すと海鮮丼を振り払えるような気分だった。

そして到着したわかば。
あれだけスピード出したのに
わかばに到着してもなお脳裏には
薄らと海鮮丼がへばりついていた。

正確には脳にへばりついていた海鮮丼は
しっかり振り払えた。
「そうだよ!明日海鮮丼食べるんだからいいじゃないか!」
と完全に気分は切り替わっていた。

問題は「舌」だ。
舌がまだまだ海鮮丼の舌のままだ。


わかばも大好きだから
「マロンサンデー食べるぞーー!」と、マロンサンデーの舌でわかばを迎えたかった。

しかし今の舌では
どんなに美味しいマロンサンデーが出て来ても
完璧にマロンサンデーの舌で食べるより
美味しい幸せ度合いが絶対3くらいは下がってしまう。

しかも前回、9月に食べれなかった時から
2ヶ月間食べたいと思い続けてきたマロンサンデーだ。
ソレを食す為の舌で食べたら
覚醒剤並みの汁が脳味噌から溢れ出しただろう。

俺は今回、マロンサンデーを食べれても
その脳から溢れ出る汁を楽しむことは出来ないのか。
そう思うと、とても悔しい気持ちになった。




そんな気持ちで頼んだマロンサンデー。

結果、そんな悔しい気持ちになる必要は全くなかった。
めちゃくちゃ美味しくて、めちゃくちゃ脳汁が溢れた。


マロンサンデーを頼む前に
ホットコーヒーとポテトピザトーストを頼んだのが
脳から汁を出す秘訣だったのかもしれない。


ホットコーヒーで冷え切った体を温めて
ポテトピザトーストで空腹と、美味しい物を食べたい気持ちを埋める。
これにより、まだ見ぬ海鮮丼への未練を振り切り、
今目の前にあるわかばの料理に気分を向ける事が出来たのだと思う。

バイクに乗っても振り切れず、
あれだけ引きずっていた海鮮丼を欲していたのに
見事にその気持ちを振り切った
ホットコーヒーとポテトピザトーストも流石の美味しさだ。

そして前2品である程度割り切っても
やはり多少は海鮮丼への未練は残る。
そんな未練を残した舌でも
これだけの脳汁を溢れさせるマロンサンデーには
最早圧巻の一言だ。

マロンサンデーが完全に「海鮮丼は明日のお昼でいいや!」と俺及び俺の舌に思わせてくれた。
お陰で悔いなく1日の食事を終えることができた。



大満足でマロンサンデーを食し
初日の宿へ向かう。

ゆっくり温泉に浸かり、翌日に備えて就寝。


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