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映画『劇場』と小説『劇場』における私の感情を分析する

 先週アマゾンプライムで『劇場』を観ました。この映画を観て泣きすぎて眠れなくなり、そして気が付きました。映画を観てこんなに泣いたことはなかった、と。それほど私にとっては特別だったのだからnoteに書いてみようと思いました。

『劇場』【あらすじ】 
高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてくれる、沙希の笑顔だけが救いだった――。理想と現実の狭間でもがきながら、かけがえのない誰かを思う、不器用な恋の物語。芥川賞『火花』より先に着手した著者の小説的原点。   -Amazonより引用ー

1、映画『劇場』を観て

 予告編だけでも泣きそうです。この映画を観る前に、私は原作の小説を読んでいませんでした。どんな話かわからないまま観て、沙希ちゃん(松岡茉優さん)の実家から荷物が届くところのやり取りで涙が噴出しました。昔こういうやり取りが自分にもあったことを思い出して、悲しくなったからです。

 途中から、又吉さんはどうやってこの物語を書かはったんやろう?永田君(山崎賢人さん)みたいな人が又吉さんの近くにいてたんかな?とそれはもう不思議に思って引き込まれて観ていました。他人事とは思えず沙希ちゃんに感情移入してしまい、号泣でした。沙希ちゃんが「ごめんね。」とつぶやく場面で私も「ごめんね。」と一緒に言っているみたいな感情の重なりがありました。でもこれは言っておかないといけません。私は沙希ちゃんみたいな優しくていい子ではありません。状況も違うし性格も違うけれど、感情が共通するみたいな感覚です。これから何年経っても、この映画を観たらあの時の感情が蘇ってくるんだろうなぁと思いました。

2、小説『劇場』を読んで

 又吉さんが小説ではどんな風に書いてらっしゃるのか知りたくなって、『劇場』を買って一気に読みました。

 落ち着いて読み進められました。映画を観ていた時の感情の高ぶりは無く、冷静に読んでいました。主人公の永田君の心境(心情)が書かれているので、行動がそれほど唐突に感じません。沙希ちゃんの心情も永田君の想像によって書かれています。だから自分との違いを認識しやすくなって、沙希ちゃんに感情移入しづらいのではないかと思いました。永田君は永田君で色々考えてそうなっているんやし、という気持ちになります。永田君は沙希ちゃんが笑っていると嬉しくて全力で笑わせようとするし、いい人やな、と思いました。涙が出たところは、永田君が沙希ちゃんを全力で笑わせている最後の場面でした。

3、気づいたこと

・映画では号泣したが、小説では最後の場面しか泣かなかった。
・映画では沙希ちゃんに感情移入したが、小説では永田君に感情移入しがちだった。
・山崎賢人さんと松岡茉優さんの演技が素晴らしかった。ここまで引き込んで感情を揺さぶることができるのは本当にすごいと思った。

4、考察

・映画を観ている時は、実生活と同じように他人の考えていることは言葉にされなければわからないし、表情や行動から想像するしかないが、小説を読んでいる時は、主人公が考えていることが書かれているので理解しやすい、という違いがある。
・映画を観て私が泣いたのは、こういう気持ちなんだろうと勝手に想像して感情を重ねて泣いたということになる。
・好きだと思った映画は原作を読んだり、好きな小説が映画化されたら映画を観てみると違いを感じられていい。こうして書くこともできる。
・表現方法を変えると受け取る印象が変わるのが面白い。
・劇場に行って演劇を観た経験があまりないので、もっと観てみたいと思った。


以上、【映画『劇場』と小説『劇場』における私の感情を分析する】でした。またこうして映画と小説を比較して何か書けたらいいな、と思いました。

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