見出し画像

私と言えばTバックらしい

ある日、学生時代の友人♂が「ポソちゃんといえばTバックだよね」という爆弾発言を放ってきた。これには理由がある。






わたしは学生時代、とあるお店の販売員をしていた。


ご高齢の方が多い一方で、治安が良いかと言われるとちょっと悪い面もある、という地域のお店だった。


毎週土曜日の開店直後にペットボトル飲料を1本レジに持ってきて会計しては、その場で一気に飲み干し、「これ捨てといてー!」と言って去るブラジャー透け透けおばさんが来るような店だった。

そんな地域だけど、販売員たるものお客様を見た目で判断せず、丁寧にお話を聞くことを学生ながらに心がけていた。




ある日、売り場でいつも通り働いていると、おじいさんに急に
「すみません、Tバックありますか?」
と声をかけられた。




?!?!?!




まだウブだったわたしはパニックになり、「新手の不審者か?いやでもこんな白髪のおじいさんが?!セクハラとして副店長を呼ぼうか?!」と大変に慌てた。





いろいろ考えて私は
「お、お下着のでしょうか...?////」
と不安げな上目遣いで聞いた。



どう考えてもこの店にそんなセクシーなものはないし、ましてこのおじいさんが履くのか?男性もののTバックって世の中に存在するのか?いや、もしかしたら女性ものを探しているのかもしれない。奥さん用?もしや観賞用?返答次第ではすぐに警備員を呼ぼうと頭の中の危機管理マニュアルを広げた。




するとどうだろう、
おじいさんはきょとんとしている。


爺「えっ?」
私「......えっ?」





5秒ほど沈黙が流れた後、近くにいたおばあさんがにやにやしながら言った。





婆「いやあねえ、あなた、ティーバックよ、お茶の」



...




...



私は静かに、おじいさんの真後ろにあった茶葉が並ぶ棚を案内した。




この話は知り合いしかフォローしていない私のTwitterで53いいねを獲得したことから、私はTバックの女と言われるようになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?